PRINCESS WALTZ 終了

 惜しい!
 最後までやって出る最初の言葉はこれ。
 100点満点中70点をあげたいと思います。傑作になりきれなかった良作というのが一番ただしいかな。
 途中暗くてもハッピーエンド、多少ご都合主義でも、この手の熱血物としてはただしい終わり方といえます。
 中盤までならFateをぶっちぎれる作品だったのになあ。
 あ、こういうのを竜頭蛇尾というのか。
 以下、強烈なネタバレあり
 よい点は、先日書いたとおりで
 音楽、ビジュアル、テンポのよさ、戦いの熱さ。
 これらはすべて及第点以上といっていい。とくにOPとエンディングの曲がよく、これのフルバージョンが是非欲しい。シングルで出してくれ。グランドエンディングの曲はまあ可もなく不可もなくってとこかな。
 
 クリアしたからこそ書ける欠点や不満点としては

・カードバトルが無意味
 まず、最初の姫との戦いはカードバトルに勝ったにもかかわらず、ストーリーで負けた事になる。
 ラストバトルが実質雑魚で無きに等しい。
 適当に育てても何とかなってしまう。
 と、存在意義がまるでない。困ったことに、このカードバトル、意外と基本を押さえており、単純ながらもよく出来ているのである。これが出来の悪い物だったら、最初から無しでいいのといえるのだが、出来がいいものだから、カードバトルを削れとも言いたくないわけで。
 カードバトルを入れるなら、それを生かした作りにして欲しかった。
 それに伴い、後半の姫との合身もあまり意味がない。最後のHシーンの相手を選択するためだけのものにしか思えない。実質、だれとHシーンを迎えようとも結末は同じ。そこに至るまでが少し変わるだけ。
 また、この部分でもうひとつ、不満点があるのだが、それは次に書く。

・話の分岐がない
 これがこのゲーム最大のもったいない部分ではないだろうか。
 設定、戦い、盛り上げ方、演出、キャラクターどれも高水準なので更に惜しい。
 特に惜しいのは、5人の姫をほぼ使い捨てにしていること。彼女たちは中盤まで非常に話を盛り上げてくれる存在であり、一人一人強烈な個性を放っている。このゲームの中の言葉で言うなら全員がピカピカなわけである。
 にもかかわらず、彼女たちが主人公に選ばれるのは後半のHシーンの相手だけであり、誰とつながろうと主人公は最終的にメインヒロインにまっしぐら。
 各姫ともつながるエンディングが欲しかったところ。正直、全部の姫に個別ルートを作るべきだったと思う。
 そのぐらい、もったいない。
 あと、終盤、盛り上がりに欠ける部分もどうかと。
 話の都合上、姫たちは終盤超人的な力をほとんど失うため、ワルツで使用した究極奥義は当然使えなくなる。そのため、戦闘に派手さが失われる。
 実質、このゲームでの一番盛り上がった戦闘は、リリアーナVSアンジェラだったりする。
 ラスト手前は姫5人が力を合わせたりする部分は盛り上がるものの、それでもアンジェラがリリアーナ戦で見せた究極の一撃は無いし、リリアーナもそれは同様だったりする。
 その点は非常に不満である。
 終盤は主人公が目立ち始めるので、自然と脇に追いやられてしまうのも。アンジェラなんかはやっぱ一人孤高なバトルマニアをしていて欲しかったのだが。
 あと、中盤、アレだけ鬱展開にしときながら、死人がほぼいないのも・・・まあ、ご都合主義だが、これはこれでいいか。
 姫たちへのフォローはファンディスクに期待するしかないだろう。

 とりあえず、キャラ感想を。ただし、全員のエロシーンを見てないので確定ではない。

・クリス
 まあ、見た瞬間わかる女の子。
 とはいえ、1部完後エンディング直前まで死んでるので、かなり影が薄くなる。やきもちやいたり、すぐ怒ったり、H後デレデレになったりと、男装のツンデレという特殊すぎる属性がよかっただけに、終盤囚われ姫状態なままエンディング直前まで引っ張られたのはかなりかわいそう。ただし、復活のシーンの演出はかなりぐっと来る。あの歌は反則だろう。1部終了時も同じ曲がかかるが。
 クール系なのに、新の前だけではガーッと怒鳴ったり、笑ったりと魅力あるヒロインではある。

・新
 序盤、ただのおせっかいなのだが、クリスを失ったあたりから、ぐっと魅力的になっていく。この辺は見せ方がうまい。偶然、ワルツに参加したように見えるが実はという展開なのだが、けっこう、なるほどなと思わせる。ご都合主義だが矛盾は少ないと思われる。
 しかし、クリスを助ける直前、他の姫とくっつきながら、何食わぬ顔でクリスとくっつくのはどうかと。まあ、1週目ではアンジェラとくっつけたので、彼女は案外あっさりしてそうな気はするが。無条件でもてるタイプではないのがポイントか。各姫とのかかわりで好かれていく要素が多かれ少なかれあるので全員に慕われる点に違和感は無い。少なくともどこかの主人公よりはというレベルではあるが。

・アンジェラ
 誇り高きバトルマニア。ベジータ系ともいえるが、彼と違って負け犬ではないのがポイント。ただし、かませ犬にされかかるが。まあ、かませ犬になって更にかみ返すのが彼女の強さか。というか、この作品中エルディ=アークを唯一破った人。まあ、喰らった姫は彼女のみだが。一応ラスボスまで倒してるんだけどね、この技で。で、更に、エルディ=アークと同質の技を身につけて帰ってくるというバトルマニアぶり。天才なのに努力もする。
 傲慢系なのだが、あまり鼻につかない。高貴ゆえの傲慢さというべきか。まあ、損な性格ではあると思われる。彼女自身、そんなことは歯牙にもかけないと思うが。
 絶大的な強さを持っていただけに、ティアラ破壊後の弱体化は痛い。それでも性格は変わらないのだが。
 一番好きなキャラです。

・清白
 究極の正拳を放つ時は背中に刺青が。遠山の金さんか!
 一歩間違えたらストーカーになりそうな人。それだけ一途ともいえるが、必殺技といい、女ゴン(ハンター×ハンターの)ともいえるかもしれない。ゴンと同じくあまり好きになれないキャラでもある。

・リリアーナ・ルン・ルン・ギュンスター
 この名前、ギャグだよね?
 通称ルンルン。
 登場からほぼギャグ担当なのが目に見える。武器もイルカ型の水鉄砲。が、アンジェラ戦では漢・・・じゃない、女を魅せた。ただ1勝を得るために、みずからの命を懸けた一撃を放ち、その一撃を破られてなお、勝利を掴もうとする。
 普段が普段なだけ、シリアスなシーンではすごくかっこいいキャラ。愛すべきキャラと言える。

・リーゼル
 もともとめちゃくちゃ強いのに、勝利のために策を練りに練りまくって戦いに挑む。腹の立つ戦い方だが、合理的なのは確か。
 後半、意外な正体に驚き、再び戦いに赴くための1歩を踏み出すシーンはこのゲームでの屈指の名シーンなのもポイント。何気に、最初のクリスと新の絡み部分にかぶせた作りにしているのもまたうまい。
 
 時間がなくなったので、続きはまた今度。キャラが結構多いから書くの大変。