機神咆吼デモンベイン 第6話

 戦闘までの部分は、原作の贅肉をうまくそいだ形でアニメ化してるんじゃなかろうか。先週も戦闘までは駆け足ながらなかなか良かったし。
 しかし、戦闘になると、急にだめになる。作画も動きも話の展開も。すべてがダメ。
 デモンベインってロボットバトルや、超人バトル部分がクローズアップされるけど、それ以外の部分もしっかりしてて、アニメがそちら側に裂き気味なところからもそれはわかるのだが。
 しかし、カリグラの手抜き具合には笑ってしまった。
 とにかく、戦闘に緊張感と絶望感と爽快感と説得力のすべてが足りない。
 アニメ版デモンベインの今まで全話にわたっていえるのはこれではなかろうか。そして、これはある意味致命的な事だと思う。ある意味作画が崩れていることよりもだ。
 まず、魔術師の強さが前々表現できていない。唯一マスターテリオンくらいか。一応テリオンアッパーは魅せてくれたし。破壊ロボもたいした事ない(もっとも、原作でも既に雑魚キャラに定着してしまったが。逆に言うなら定着してしまったからこそ、機神飛翔デモンベインでの、西博士エンドが成り立ったり、デモンベイン復活の驚きと笑いにつながるわけだが)
 原作では破壊ロボに九郎は手も足も出なかったし、ゆえにデモンベインの強さが際立っていた。そして、その圧倒的なデモンベイン素手ですっ飛ばすマスターテリオン。九郎は弱さを自覚し、血反吐を吐いて修行すること。強さを手に入れても、現れたアンチクロスの前にぼろぼろになるほど苦戦し、事実上敗北したり、復活した海神ダゴンに大苦戦して、旧支配者を召喚し自らもろとも敵を吹っ飛ばしたりと、アニメ版ではあっさり手に入れて使うだけだったり倒すだけだったりする部分が原作でどれほど力説されていたことか。
 デモンベインはお約束の世界ではあるが、決して強くなることへの説得力を省いているわけではない。大十字九郎が強くなるにはそれなりの理由と原因と努力がある。アニメ版は結果しかない。みてて、爽快になんかなるわけがない。
 まあ、12話でまとめるのは無理だと思ってたから、仕方ないか。とはいえ、ここ2話ほど戦闘以外の部分の出来がなかなか良かったのでもったいなく感じるのだが。
 あと、尺がまた足りなかったのかエンディング削られてた。来週あたりはオープニングも削られそうだ。しかし、前半削りに削って後半のために話数を確保したのだから、マスターの予告のように過剰なまでに盛り上げてもらいたいものだ。後半のカタルシスのための前半の犠牲であればちょっとは我慢するからさ。とはいえ、九郎の日常あってこその絶望と大逆転だとも思うんだがなあ。あっちを取ればこっちがということかな。
 しかし、アンチクロスの扱いがあんまりといえばあんまりだ。これなら、出すだけ無駄だから二人ほど削ったって良かったろうに。カリグラ、クラウディウスはどっちか一人、ティトゥスもいらんだろう(ウィン様の出番がなくなるが)話数削るならアンチクロスも削って、地球皇帝様とウェスパシアヌスクラウディウスかティべリウスのどっちか一人だけでも良かったと思う。そうすりゃ、もうちょっと戦闘とかにも話が割けたと思うんだが。
 しかし、今回の予告は盛り上がる。前回も良かったが。
 このアニメ、OPとEDと予告だけのがいいんじゃね?