桝田省治と天外
マーズのHPのコラムやBBSの過去話を追っていると、端々に見えるのだが、桝田さんは天外に対してうんざりしているという事実がくっきりとわかる。
天外3の出来に、ハドソンに土下座しても参加してもらうべきだと書いたけど、これ見てる限りじゃ、土下座しても参加してくれなさそう。
元々、天外3の企画はずいぶん昔からあって、アーケードカードだのFXで出すだのと迷走し続けてきたのだが、桝田さんはどうもこの時もその仕様にあわせてプロットを練っていたらしい。プロット練ってシナリオを完成*1寸前だったそうだ。
結果またされすぎて、新企画立ち上がることなく天外3は露に消える。理由としての最大のものは開発チームを維持できなかったこと。天外2の中核となるスタッフは当事フリーだった模様で、当然他の仕事をする必要がある。桝田さんはゲームが好きでゲーム業界に入ったわけではなく、広告代理店で働いていて、たまたまゲームの広告を作る仕事が回ってきた結果、気がつけば会社に席がなくなっていて仕方なくゲーム製作者になったという経歴の持ち主で、ゲームに必要以上に幻想を抱いていなければ作ったものに対する愛着が途方もなく大きなものでもないようだ。
この辺はマーズHPの発言からうかがい知れる。天外2と言うすごいゲームをつくり、天外シリーズというシリーズの生みの親の一人という矜持なんかは微塵もなく、どっちかというといまだに天外天外と言われることがうっとおしくて仕方が無い模様なのだ*2。
天外シリーズに関しても1と2は自分が作ったから何言われても仕方ないけど、それ以後の作品はまったく関わってないので知ったことじゃないと言い切ってるし*3。
ハドソンとレッドと桝田さんの3者で、桝田シナリオは完全破棄、桝田はいっさい天外にはかかわらないと言う事で話はまとまっているらしい。桝田さんじしんは破棄したとはいえその天外3のプロット作業分のお金はもらったのでもうどうでもいいとのこと。もっとも、広井王子のインタビューではたびたび桝田さんの名前が出てくることから、彼に参加してもらいたかったという印象は受ける。
桝田さん曰く、天外と自分の関係は離婚した夫婦みたいなものだと言っていた。
協議離婚で、完全解決してもう無関係だと言っているのだが、この離婚した夫婦という表現は、分かれてるのに「奥さん元気?」と質問される微妙な夫という意味も含まれていると思う。ようは終わった嫌なことなのに天外3のことを聞かれるのはそれを蒸し返す行為と同じということだ。
ハドソンと桝田さんの間にどんなやり取りがあったかは不明だが、個人的には桝田さんがここまで嫌気が差すような何かがあったんだろうなと想像してしまう。
もっとも、桝田さんが普通の人の持つ感情がまったくないわけでもない。ファミ通の続編を期待するアンケートの中の100選の中で8つ自分がかかわったものがあったと普通に喜んでることもあるし。そう思うと、天外に対する嫌な出来事がよほど大きかったのかなあと。
桝田さん本人が言い切ってるように、二度と天外というシリーズにかかわることが無いと言っているので本当にないのだろう。
諦めて桝田さんに新しいゲームを作ってもらいたいものだ。
もっとも、俺屍以降そう面白いゲームを作ってないのが気になるけれど。我が竜もイマイチだったしなあ。むしろ攻略本のコラムのほうが面白かった。まあ小林よしのり曰く、どんな大作家だって名作を連発できるわけじゃないというのと同じで続編ではない名作を毎回作るのは難しいいんだろうなあ。