あやかしびと 2週目

 そんなわけで2週目。でも、神沢市に入るまではすっ飛ばす。なんせ体験版と本編で計3回やってるからなあ。
 お返しディスクもらえるアンケートも出した。エロゲーメーカーに個人情報売り飛ばすのはちょっと怖いが。でもまあ、楽天に個人情報渡すよりマシだろう。
 まだ、エロゲーメーカーから流出したと言う話は聞かないし。規模が小さいから話題にならないだけの話かもしれないが。
 とりあえず2週目開始。
 また刀子*1ルートに。最初にクリアした人だからほぼ1ヶ月前だしねえ。
 またネタバレ続出なので、ネタバレ見たくない人は続きを読むを押さないように。
 ほぼ終盤まで行ったが、このルートがやっぱ一番完成度高い気がするなあ。他のルートではあまりに絡みの薄い九尾も出てくるし、すずルートですら、天は存在感薄かったしなあ。中に至っては徹頭徹尾小物っぷりを発揮するし。そりゃ蔑まれてあたりまえだ。
 ヒロインとくっつくまでの期間が短くないかと言う意見を他のはてなで何人か書いてたけど、俺はそうは思わなかった。なんだかんだと付き合うまでに1ヶ月近くかけてるし。恋人ごっこ期間に突入するまでもそれなりの時間があったわけだしなあ。お互い恋愛経験の薄い二人が、周りに押されてその気になったと考えるとそんな不自然でもないんだが。実際、付き合う前にある程度の付き合いがあってお互いが恋に至るまでの過程を踏んでないのは不自然だと言うのならば、世の中不自然だらけだぞ。
 実際、高校時代に、顔しか知らないのに告白して、そのまま結婚まで言った連中も知ってるし、これって、恋人になるまでの過程をすっ飛ばしてるわけだし。合コンで知り合ってそのまま付き合って結婚って例もある。別にリアルの世界だと、もっとその部分をすっ飛ばした例もあるわけだし、その点が不自然とは全然思わなかった。
 まあ、そこのプログで言ってる意味を俺が理解してないだけかも。
 で、このルートは基本的に話の展開に無理が少ない。薫ルートではあっさり過去を清算する薫と双七にちょっと拍子抜けしたし。まあ、それだけ大人の対応だったとも言えるが。その分黒すずがガキっぽくみえてしまう。トーニャルートでは最後のドミニオンが蛇足過ぎるし、ついでに言えば特殊部隊も弱すぎるし。すずルートも何のためにこもり島に行ったのかさっぱりわからないグダグダの後半の一部の展開や、すず救出後の最終決戦までのくだりのすっ飛ばし具合や、それにきがつかないすずに違和感覚えたりと、なにかしら蛇足だったり欠落する部分*2がある。
 あと、このルートの見物はキャラクターの立ち位置の違いである。このゲームの最大の特色、もしくは似たようなアクション物での相違点と言えるのではないか。できるだけ同じ環境、同じ条件、同じ設定でいろんな無理のない組み合わせを展開する。他のルートでは敵対してた連中が手を組んだり、敵味方の入れ替えがあったりと、if的展開を楽しめる部分がポイントだ。他の作品もそういうことをやってはいる*3が、あやかしびとはそれを前面に押し出していると思う。
 特に九鬼の扱いがポイントか。トーニャ、刀子ルートでは師として、薫、すずルートではラスボスとして君臨する。
 前者の師としての立場にも違いがあって、トーニャルートでは双七が師越えを果たす。これはこのルートだけの特権で、刀子ルートでは墜ちた双七を助けようとする。ラスボスとしてでてくる、薫ルートとすずルートでは鬼に成り果てるが、薫ルートでは虎太郎と手に汗握る熱戦を繰り広げ、すずルートでは言わずもがな怪獣大決戦を繰り広げることに。
 主人公の双七もそれに合わせて、ポジションが変化する。特に刀子ルートでは悪役として暴れまわる。これがまた強くてかっこいいから性質が悪い。ダークヒーロモノもかっこいいよなあ。
 この話は絶えず、双七と九鬼という師弟が軸になって対立関係が変化するが、それをもっとも上手く利用した話が刀子ルートといえる。なんせ、他のルートでは双七がむしろ墜ちた師をなんとかしようとするケースが多いのだ。このルートだけは逆で、憑き物が落ちた九鬼が弟子のために一肌脱ぐと言うほかのルートでは見られない光景が見れる。
 また、ここで共闘する、刀子と九鬼がすずルートでは対峙するというのも面白い。それだけに、このルートをすずルートの前にやらなくてはいけないのが残念だ。すずルートを見てからこのルートを始めてやるともっと衝撃度が高いと思うのだが。なんせ、すずルートではありえない展開なんだし。
 やっぱルート制限をくわえないべきだったような気はする。
 あと、残念なのは、組み合わせの変化の中で、九鬼と双七が共闘する、もしくは、九鬼と虎太郎が共闘するという話がなかったのは残念だ。特に前者はありえる話だけに余計に悲しい。ファンディスク作るとしたら、是非そういう話も作って欲しいなあと思う。
 で、長々書いて何が言いたいのかと言うと、限られた設定と条件の中、その枠組みから飛びぬけて逸脱せずに組み合わせの妙で4つのルートをまったく違う味わいに作ってあるというのがこの作品の魅力の一つではないかと言うこと。ポイントは逸脱せずと言う部分にある。Fateではプレイヤー側に明かされていない、後付けのような設定がぽっこり沸いてきて大暴れするのだが、この作品はプレイヤーに与えられた範囲内の情報でプレイヤーを興奮させる展開に持っていっているのがすごい。無論、Fateのやり方が俺は好きじゃないが悪いと言うわけではない。ただ、このある程度与えている情報内で話を作ってあるのが、このゲームの特色の一つではないかと言う話である。
 みてて「なるほど、そういう展開になるか」と言う驚きが楽しいのである。
 どうでもいいが、同じ日に買った塵骸魔京、封すら開けてない。やばいなあ、そのままニトロ+の新作の刃鳴散らすを買ってプレイしてそうだ。だって、あっちの方が面白そうだし。

 

*1:上のバナーの人が刀子

*2:まあ、これが数日前の日記で書いた、欠点や矛盾点探しである。これら一部気になるところを上回るほど面白い部分や良い部分があるから、この作品を自身もって面白い作品と断言できるのだが。

*3:Fateがそう。ただし、さくらルートの他ルートの主要人物を片っ端から雑魚に貶めるやり方はちょっとな〜と思う