Fate/hollow ataraxia キャラ別感想

 ネタバレありと思われる
士郎:基本的には独りよがりな発言が減ったので、本編ほど見ててムカつかない。まあ相変わらず完璧超人っぷりとか鼻につく部分は多少残っているが。那須キノコの書く典型的な主人公だよなあ。自分の理想の投影というか。まあ、幹也→志貴→士郎と先に進むにつれて独善性が増しているのがポイントかな。俺としては志貴くらいがバランスよくてちょうどいいかな。

セイバー:本編のイメージは薄れ、生真面目さと食欲を売りにした萌え担当。とりあえず、食事関連に絡ませればいいという安易な発想が目立つ。まあ、この手のキャラ立てはしつこいくらい同じねたを絡ませるのが関西の基本なので、関西系お笑いののりなのだろう。がやりすぎの感はある。士郎も気にしてたが、食費の圧迫がすさまじそう。ましてやライダーと違いバイトもしてないのでほんとに消費するだけ。まさに使われない軍備と同じ。ただそこにあるだけで浪費するというのは確かに正しいあり方のような気もする。

凛:説明担当からギャグ担当に。前回は世界設定の説明+その万能っぷりから話を引っ張る存在として一人大車輪の活躍をした(というよりさせられた)人物も、今回はギャグ担当に。まあ、無理に話を引っ張る必要がなくなったからなあ。これ書いてて思い出したけど、本編の不満点の一つに、とにかく進行と説明に困ったら凛まかせって部分だったんだが。便利屋として作られた彼女は、今回は使いやすいギャグ担当として結局割に合わない立場を背負わされるのだった。

桜:何担当なんだろう。相変わらず萌え要素は薄いし、かといって、桜編で見せたはっちゃけ振りも鳴りを潜めたし。まあ一応エロ担当なのかもしれない。
 しかし、製作側があまりの人気のなさに悲しくなったのか、桜編自体を無かったことにしようという意図がちらほらと。似たような不幸な過去+黒幕だった琥珀はじわじわと人気を延ばしたのに、こっちはライダーに負けちゃったもんなあ。彼女のデートイベントは削られてライダーに奪われてしまう悲しさ。黒桜は嫌いじゃないんだが。終わり方も嫌いじゃないし。
 桜ルートが嫌いと俺は公言しているが、正しくは、セイバールート、凛ルートをプレイヤーが経験した上での桜ルートが嫌いというのが正しい。もっと細かく言うと、前にプレイする二つのルートで培った物を桜ルートで士郎があっさりと放棄するところが問題気に食わない。基本的に同じ設定を利用した別の話なので、話的には問題ないのだが、意図的にプレイルートを固定しているのだから、この部分はやはり問題にしたいと思う。桜ルート単体だけで存在するのなら、アレはアレでありだと思うんだがなあ。まあ、Fateの構図って言うのはその前に積み重ねたものの否定って部分もあるのだが。セイバールートの否定がアーチャールート・・・・・・じゃない、凛ルートで、それまでの積み重ねの否定が桜ルートでもあるわけで。今まで積み重ねたことの裏返しというのが物語的にも意外性と面白みを追加するのだが、明らかに別ルートとして作っていながら、他ルートありきのどんでん返し(内容的には他ルートありきではない。)をするものだから、士郎がルートによってあっさりと発言翻すことに違和感を覚えるわけだ。
 桜自身は黒桜あっての桜なのだが、その黒桜自体がギャグ扱いにされてしまっているのだから裏返ってもつまらない。裏表こそが桜の魅力なのにその魅力が薄れてしまっているのは間違いないだろう。その辺が桜の性格が変わったように感じる要因ではないだろうか?

藤村大河:私を虎と呼ぶな!!
 ジーザスという漫画の名言を思い出してしまうキャラ。まあ、那須キノコもなんかジーザス読んで多様な気配あり。わざとだよなあこれ。
 ポジションも扱いも本編の拡大延長版。ただし、日常パートが増えたので出番もそれに伴い増えた。
 というかあれこれ言うキャラでもないよなあ。まあ、ヒロインにはなりづらいキャラではあるか。

ライダー:マスターより出番の増えた人。とにかく出番が多い。全員が士郎べったりな衛宮邸において、唯一彼からきちんと距離を置いている人物でもあるし。もっとも、彼女の場合は、那須キノコ独特の語りで綴られるメドゥーサの話だろう。キャスター、ライダー、ランサーにも同様な過去話があるが、hollowやってて一番面白かった部分はこの過去編である。キャスターなんかは1度で全部語るが、ライダーは3度くらいに分けられており、その結末が切なくて仕方なくなる。ジーンズ姿以外の私服姿がほしかった。

ランサー:おいしいところを持っていく人。本編ではクランの猛犬の名に恥じない、かませ犬っぷりを見せてくれたが、今回は日常、戦闘ともに大活躍。セイバーを一撃で倒したフラガラックを見事打ち破るという成果を出す。その代わりラストバトルは出番なし。日常もぜんぜん溶け込んでて良いおにいさんっぷりを発揮しまくる。やっぱこいつかっこいいよなあ。本編のときから好きなキャラだったし。でもやっぱいいのは過去話。クーフーリンの話が堪能できます。必見。

アーチャー:なんか出番が少ない。数少ない戦闘も、敵対してしまったせいで負けるしかないし。あまりおいしい部分もない。人気はあるはずなのだが、ずいぶんぞんざいな扱いなきもする。二刀流を見せてくれなかったのが残念だ。

キャスター:誰この人?
 そのくらい違う人になってる。まあ、これはこれでいいのかもしれないが。今回はフードなしが多い。そこがポイント。ラストバトルの戦闘シーンのグラフィックはなんとなく好き。過去話を見て、アルゴー船の話が嫌いになりました。メディアかわいそすぎだよ。

バーサーカー:出番なし。ちょっとだけしか出てこない。過去話もなし。扱いがぞんざい過ぎないか?本編だってかませ犬だし。もっといい目にあわせてやれよ。一番良い扱いは花札での扱いだもんなあ。

アサシン:こいつも出番少ない。まあ、動けないしねえ。燕返しはどこにやったのやら。まあ、赤音が魔剣燕返しを見せてくれたので、こっちの似非燕返しはもういらないが。こいつの過去話もほしかったなあ。

ギルガメッシュ:どのルートでも死亡確定なのになぜか登場。言峰はどのルートでも生き残れないからという理由で出てこないのに。しかも、本編以上に馬鹿になってるし。さらにいい人になってるってのも。キャラ的には面白いが、ホントそれだけになってしまった。

陸上部3人組:まあ、こういうのも良いんじゃないの?基本的にはうざいが。もっとも、彼女たちのおまけ話の虎の咆哮が笑えた。おそらく書いてる那須も衛宮邸の現状に突っ込みいれたかったんだろうなあ。

バゼッド:本編で言峰にだまし討ちにあって死亡した人物。実は生きてましたって落ちだった。まあ、どうでも良いか。あんまり魅力を感じなかったし。つうか、ほかが個性的過ぎるからなあ。

カレン:どうでもいい新キャラその2。なんか裏でいろいろやってた模様。いや、それだけの人。黒幕っぽかったけど、実は違いましたという何じゃそりゃという落ちが。

 なんかいろいろ抜けてると思うが、こんなところか。