竜†恋

 ニトロプラスの久々の新作・・・って、去年、これ含めて3本出てるな。
 ニトロの久々というより、鋼屋ジンさんの久々の完全新作。なんせ、デモンベイン以来ないわけだから、3年ぶりか。
 こっから先はネタバレありで。
 話の概要は、主人公が竜殺しの英雄になって竜を倒してお姫様とめでたしめでたしという話。
 ただし、現代日本で。
 竜と姫が同一人物だったり、竜殺しの英雄はただの高校生だったりするのがちょっと変わってるかも、主人公もなんか信念があって竜殺しになるわけではなく、ひたすら巻き込まれてそうなる。
 でも、三文芝居に付き合いたくなくて、言わなきゃいけない一言のために、竜から姫を救い出す話。
 ちょっとひねったお約束の話が心地よい。
 約束されたハッピーエンドから離れていくように見せかけてやはり最終的にハッピーエンドになる。
 まあ、こののりでバッドエンドだと切なすぎるけど。
 大体、中盤あたりで話が読めるけど、それもまた良し。
 ベタ誉めだけど、ちょっと話が短すぎるかな。
 途中をもっと盛り上げていくべきだったと思う。その盛り上がっていった部分がかなり断片的に語られてるのと竜についてにかなり裂かれてしまうので、主人公が結局、ヒロインのエロボディに陥落したようにしか見えない。
 もうちょっと、盛り上がっていくけど、意地張って自分の恋を否定していく展開があってこそ、最後の盛り上がりにつながるようになると思うのだが。ついでに言えば、最期のバッドエンドルート側の、「彼女に恋を告げていない」という切ない台詞も生きていくと思うのになあ。
 短編だからといういいわけはあるだろうけど、語っていくポイントが微妙にずれていたようにも思える。世界観を削っても二人の盛り上がりを書いたほうが良かったのでは?
 総合的に面白かったけど、もっと盛り上げようがあったとは思う。
 そういう意味では同じ短編の刃鳴散らすも同様に盛り上げ方をミスってるとは思うんだが。まあ、あっちは十二分に最後盛り上がったしなあ。過去編なしでも断片的にわかればいい話だし。
 あと、声が欲しかったな。出てくるメンバー少ないし、今じゃ2200円のエロゲーですら声入ってる時代だし。音楽にやたらと気合入ってるだけにそっちもどうにかして欲しかった。この場合、主人公も声ありで。
 音楽は、ニトロだ外すわけがない。というか、音楽聴けないし・・・。しゃあない、サントラ買うか。あっても多分買うが。バッドエンディングの時のエンディングがよかったなあ。いや、グッドエンディングは歌詞がちゃんとあるだけだけど。バッドエンディングのほうは話の途中でも使われる歌。特に歌詞はなく「ライラ、ライ、ラー」といとうかなこさんの声で延々と入ってるだけなのだが、非常に切なくなる。ナウシカの「ラン、ランララランランラン」と同じだな。わかるか? この文章。
 スクウェアの曲いいと言う人多いですが、俺は別に特にそうとは思わない。なぜなら俺はニトロとファルコムを知っているからだ。というか、スクウェアは曲のチョイスがへたくそなんだよなあ。場面に合ってない曲結構多いし。そういう意味ではFF4の曲の合わせ方はよかったとおもうんだが。すげえ話ずれた。
 まあ、値段以上に楽しめたしよかったかな。ところで、このゲーム、ヒロインの名前何なんでしょう?