スーパーマンリターンズ

 久々のスーパーマン。最新映像技術で作られたスーパーマンはどんなものだろうとちょっと楽しみに見に行ってみた。
 結論から言うなら、スーパーマン
 クリストファー・リーブ主演の旧スーパーマンのイメージがよく引き継がれている。なので、新クラーク・ケントもロイスもルーサーもどことなく旧作のイメージを元に配役しているように思えた。
 昔のスーパーマンは飛ぶシーンでつなぎ目が見えたりと、今見るとちょっと辛い部分があるが、今回はCGの限りを尽くしているのか、違和感が極力少ない。
 単純に感心させられた。
 さて、内容だが、5年間宇宙に行ってたスーパーマンが帰還したら、恋人だったロイスが違う男と同棲してた挙句、子供がいたりと、なんか恋愛面で当然の如く問題だらけだったり。
 それ以外はいつものスーパーマン。どんな些細な事でも力づくで解決していく。たまに思うのだが、彼が参加した救出には何故死人が出ないんだろう。今回ものっけの飛行機救出は死人出ててもおかしくないぞ。得にロイスあたりが。
 しかし、見所と盛り上がりに欠ける作品ではある。
 スーパーマンが異様に強すぎるため、ラスボスが弱いのだ。っていうかただの人間だしな。どんなに頑張っても。かといって、クリンプトナイトで弱対してしまうとただの人並みになるため、数人いればボコボコにされる。それはそれで情けなすぎる。もはやスーパーマンが一方的にぼっこぼこにするか、ぼっこぼこにされるしかないのだ。元々超常能力に頼った超人だからなあ。エロゲで悪いが、同じヒーロー系と比較しても九郎と違って逆境に弱い。そもそも逆境しかない彼と違い、スーパーマンには根本的に敵がいないから逆境に鍛えられることが無いんだろうなあ。
 しかし、色々どこかで見た話だ。
 大陸浮上シーンを含むあのあたりは、デモンベインのルルイエ浮上にそっくりだし、息子が母親のピンチで爆発するのは悟飯そっくりだ。あと、パクリとののしるつもりは無いが、スーパーマンが地球に来て、おじいさんとおばあさんに引き取られて悪者退治するって、桃太郎そっくりだな。モチーフが桃太郎とも思えないから偶然の一致だろうけど。
 しかし、島1個持ち上げるスーパーマン
 ところが力尽きるスーパーマン。あれ、こいつ本気出したら、地球の時間戻すことできるんじゃなかったっけ。まあ、旧4作とつながってないかもしれないしなあ。
 映像はパワーアップしているしルーサーのやることもスケールアップしてるのだが、どうも旧作より映像が奇麗になっただけとしか思えない。まあスーパーマンはこんなものといわれればそれまでなんだが。基本的には正義は必ず勝つという娯楽作品だしね。
 ただ、同じ系列のスパイダーマンと比較すると、話に起伏が足りない。恋愛がらみでの苦悩があるのだが、余りそれも見られないし(ただしストーカー行為は行うのだが)スパイダーマンは正義とは、力を持つものの義務、自分の生活、彼女との恋愛と苦悩まみれで、悩んで悩みぬく人間味がよかったんだけどなあ。そういう部分はあんまりない。ただ、父と子というテーマはあるのかな。ところが、この父と子という部分も機神飛翔デモンベインの父子関係に似ているものだから、どうも二番煎じなんだよなあ。日本のエロゲをパクってるわけが無いし、時期的にもそれはありえないが、タイミングが悪かった。俺にとって。
 最後に地球に落ちて救出されるシーンもどっちかっていうとギャグにしか見えなかったしなあ。スパイダーマン2の電車を必死に止めて力尽きるスパイダーマンのシーンと比較してどうしても燃えるものが足りなく思ってしまう。似たようなシーンだけど、あっちのほうがよかったかな。
 演出的によかったのは、息子の力に頼らなかったことかなあ。母親を助けた以外では、かなり彼の力をぼかしている。何箇所か、彼の力でピンチを潜り抜けたようにも思えるが、明確にはしていない。これがなかなかよかったかなあと。息子がなんかするんだろうと思わせといて何も出来なかったりと見ていてハラハラさせる演出に一役買っている。バーンと彼の力を見せてその後使わせないというのがポイントかなこの演出は。
 まあ、けなすほど詰まんないわけではない。普通に面白かったと思う。
 レックス・ルーサーがかなりのギャグ担当で色々笑わせてくれる。歯磨きして、ロイスとあったときのポカーンとした顔は見物すぎる。
 レックス・ルーサー生きてるんだし、次回作もあるだろうなあ。