機神咆吼デモンベイン ド・マリニーの時計
そんなわけで古橋デモンベイン第三弾。お目当ては書き下ろしの遺跡破壊者。ド・マリニーの時計に関しては以前読んでたし。
それぞれ、3作の簡単な感想を
ド・マリニーの時計
ストーリーの真ん中に組み込まれても問題なさそうな話。というか、珍しく古橋の描いた九郎というものが見れる。何しろ、機神胎動ではやたらとすれてしまった鋼造九郎だし。
話自体は、デモンベインの基本設定のおさらいと、ウエストと九郎のどたばた対決という、いつものとおりの展開なのだが、最後の逆転に使われるギミックがポイント。そのギミックというか裏技が、デモンベインと機神飛翔の根幹設定部分にかかわっているのが、らしさというべきか。古橋らしさというより、表面は一見、極普通のヒーロー物と見せてその裏での因縁や宿命や邪神の胎動を感じさせるデモンベインらしさというべきだろう。このギミックは後の機神飛翔で使われ、そのギミックを仕掛けた人物は、全てのからくりと裏側を知っている人物であるのが肝なわけである。
そんなわけで、多分、知らない人が読んだら、こんなものかなーと思う内容なのだが、デモンベインを知っていれば知るほど、面白い話なわけだ。ファン心をくすぐる面白い作品だろう。
遺跡破壊者
今度はラバン・シュリュズベリィとドクターウエストという変わった組み合わせの話。17歳のドクターウエストが、世界各地の遺跡を巡りつつ、何故か先々でシュリュズベリィ博士に助けられる話。とはいえ、最後にはウエストらしさで窮地を救うのは面目躍如というところか。まあ、その逆に、ウエストらしくトラブルメーカーぶりも大いに発揮してくれるが。
この話に期待して買ったのだがちょっとイマイチかなあ。まあ、素手で深きものどもを倒すむちゃっぷりをするんだが。もっとも、本編では、生身でしかも素手で相手の弱点をつくという方法ではなく、深きものどをも殴り倒した人がいるからなあ。ただ、ラバンの理念はなかなか面白かった。あくまで人類による邪神眷属の打破という目的がはっきりしているし。ただの無茶な爺さんではないようだ。
ただ、この話、本編の前の話じゃないような気もする。
本編のループ内には盲目の老賢者が介入できないようなことを書いてたし。なので、この話は、本編でループが解けた後の世界の話なんだろうなと。だったら、ウエストは結局、ほっておいてもアーカムにいってたんだろうな。
タイトル忘れた。
まあ、調べればすぐわかるわけだが。
ウエストがトレードマークである破壊ロボを作るまでのお話。基本的に終始どたばた劇で終わるので、面白いことは面白いが、評価すべき部分もない。まあ、脇役陣がいろいろ出てくるのでそういうお楽しみもある。ファンサービスみたいなお話。
全体を通して、自分は楽しめたが、ホントにデモンベインを隅から隅まで知ってる人しか楽しめない内容になっている。元々最初のド・マリニーの時計もアニメ化に合わせてプロモーション的に書かれた作品のはずなのに、これでいいのかという疑問もあるのだが。まあ、楽しめたからいいか。
しかし、タイトルが間違っているよな。だって、この本、ドクターウエストが主役だし。