パイレーツオブカリビアン ワールドエンド

 22時40分からのレイトショーなら、ぎりぎりに行っても入れるだろうと思ったら、甘かった。まあ、比較的いい場所取れたけど。
 なんと評価していいのか難しい。
 まず話を理解するのが難しい。みんなが謎めいた行動するするのに、どうも行き当たりばったりなせいで、どこが落としどころなのか、何が目的なのか最後の最後まで見えない。これが普通の映画なら詰まんないと斬って捨てて終わりなのだが、こういう混沌めいた部分が魅力の作品でもある。
 まあ、ジャックは最後までジャックだったと。あと、ポスターをジョニー・デップが単独出演になったのに、相変わらず主人公が彼なのか時々疑問に思えてしまうのもジャックっぽい。
 まあ、不満が無いわけではないが、独特の「らしさ」はきちんと残っていたので、まあ及第点というところか。
 以下ネタバレ

 さて、1作目と2作目の時と違い、完全に2と3は話が繋がっている。繋がっているのに、のっけからイマイチ話がわからない。で、わからないまましばらく続く。
 ようやく、ああ、海図と船と船員を別の海賊から奪いにいったんだなとわかる。
 話はトントン進んでいくのだが、進んでるのか停滞してるのかもイマイチわからない。とにかく、場面場面がころころ代わってしまうので、前後を読み取るだけで精一杯なのだ。
 しかも、誰もが裏で何か目的や打算がある。
 なので、誰がいつ裏切るかさっぱりわからん。裏切ってデイビィ・ジョーンズのそばまで行ったウィルがエリザベスの元に戻ってくるのはどう考えてもご都合主義としか思えんが。
 あと、ジャックを殺し、ブラックパールを沈めた前作のクラーケン。
 今回もさぞや活躍するのだろうと思ってたら、いつの間にか死んで打ち上げられていた。そんな馬鹿な。
 で、ティナとか言う魔女の目的はわかりやすかったのだが、復活した後で復讐するみたいなことほざいてたくせに、あっさりと静まるのはどうしてなんだろうな。
 かなり、混沌とした上で適当な結末の気がする。
 結局、一番美味しいところはウィルに持っていかれるし。ああいう形でデイビィジョーンズに決着をつけるとは思わなかった。この点に関しては前作から、「ジョーンズを殺したものが次のダッチマンの船長になる」と言われてたはずだから、ある意味最大の焦点だったわけだ。ジャックが不死とジョーンズへの借りを踏み倒すために彼がやるばかりだと思ってたのだが・・・。
 話が二転三転する上に、誰もの目的もイマイチわかりにくく、誰もが腹にイチモツ抱えているため、見ていて展開が読めない。後でもう一回見ないとわからないかもなあ。
 まあ、ジャックはかっこよかったよ。特に、ジョーンズとマストの上での一騎打ちはよかった。あのロープにぶら下がって銃を撃つシーンにしびれた。
 結局のところ評価に困る作品ではあるが。面白いよ。うん。多分。
 クトゥルー的な要素はやっぱりいくつかあったかな。