タイガー&ドラゴン

 去年やってたドラマをDVDで借りて全部見た。元々好きなドラマだったが、実は後半部分しか見てないんだよな。なので、初回の前のスペシャルから見ることに。
 っていうか、1話みておもったが、スペシャル回から見てないと話しわからないな。スペシャルのキャラクターもレギュラーでずっと出演してる人いるし。
 全体を通して非常に面白いのだが、タイトルに偽りありと言うところか。一応、長瀬演じる虎児と岡田演じる竜二がダブル主人公のようなタイトルだがスペシャル回では最初の1時間はほとんど小虎メインだし、後半出番できても狂言回ししか与えられない。
 それは本編全体にも通していえることであり、あくまで話の主観が虎児であるため、どうしても竜二は目立たない。メインの話でもどちらかと言うとひたすら三枚目だったり。まあ、そこがいいんだが。ただ、24にもなって子供みたいな反抗期キャラってのはどうなんだろう。やっぱり家を飛び出すまで反抗期がなかったから、その反動かな。どうも、キャラクターの設定年齢以上に子供っぽい。
 そんなわけで、あくまでメインは虎であり、最後の2話なんて、虎と銀って感じになる。
 コメディテイスト+人情劇であり、最後の2話は徹底して人情劇となっている。
 結構殺伐とした部分もあるのだが、そこはうまくコメディと融和させてるよなあ。とはいえ、どうしようもない人間のどうしようもない部分も描いているのだが。特に、9話あたりなんかは実際に殺人が起きて死体遺棄までやっちゃうし。結構倫理観の薄い、まあ、主人公がヤクザって部分でそのあたりをぼかさないのはいいところなのだが。
 もっとも、ヤクザも堅気に手を出すようなのはあまり出ず、最後のほうで出てきたウルフ商会の連中も凶悪だがそれはあくまで流星会に対してだけであり、一般人に関しては結構おとなしかったりするし。
 中盤まではヤクザが話家に転職する話として、主人公があまりヤクザとして悩んでる部分は少ない*1が、終盤3話は、ヤクザとカタギ、恩と恩の板ばさみとなり、最終的にヤクザとして行動してしまう。このあたりはよく描けており、苦悩となる理由も決断する部分もかっこよかったなあ。最終話は3年後の話で、出所した虎児が師匠の元に戻るまでを丁寧に描いている。この話、泣けたなあ。恋愛ドラマとかみて泣いたことはないのだが、コメディドラマ見て泣くとは思わなかった。が、コメディが結局人間を描くものだから、ある意味薄っぺらな恋愛ドラマなんかより、よっぽど心情が理解しやすくだからこそ泣けるんだろうな。
 しかし、スペシャル回では結構ヤクザだった流星会の親分が最後のほうはえらく丸くなったなあ。
 視聴率は低かったかもしれない。内容が、落語とヤクザだ。恋愛劇なんてありゃしねえ。そういう意味では受けにくい分野だと思うのだが面白いものは面白いんだなあ。
 落語に関しては別に知らなくても楽しめるとは思うが、暴力表現が多いので嫌う人は嫌うかもなあ。

*1:師匠の借金が終わればカタギになれるという約束があるからだろうが