空の境界 俯瞰風景

 結局、見に行くのがめんどくさくて、映画館で見れなかった空の境界。DVDの1巻が出たのでとりあえず買って見た。
 で、一通り見て・・・。
 話がわからん。
 
 いや、ホントにわからん。えっと、一応原作読んでたはずなんだよな。
 で、ちょっと原作確認して納得。
 原作も意味不明だ。
 
 やばいな、3年ぶりくらいに読んだんだが、過去の俺、この話よく理解してたなあ。
 まあ、アニメの出来が悪いんじゃなくて、ある意味、原作通りのないようだった。なので、この作品だけ見て、内容を理解するのは不可能に近いんじゃないかと思う。
 Fate奈須きのこを知って、原作読まずにアニメ見た人は、思いっきり置いてけぼりくらったんじゃないだろうか。
 でも、アニメが悪いわけじゃない。限りなく、原作に忠実にアニメになっていると思う。むしろ、ちょっとでも理解しやすいように作ろうと努力している。式が義手だという説明も入ってたし。
 ただ、地の文無しに、そのままアニメにしてるから、良くも悪くもシーンが断片的に表示されているだけという作品に見える。少なくとも原作知らなきゃそうとしか思えない。ただのオサレアニメとしか見えないよなあ。独特の暗い色調と、音楽のまさに雰囲気のみのアニメ。原作重視で行くと多分正しいと思うんだが、アニメとしてとても正しい作りとは思えない。
 かといって、鬼のように信者しかいない奈須作品をアニメに当たってわかりやすく親切に作ると、多分、猛反発食らう。どのくらいかというと、ブレードランナー並みに。

 なので、この作品を評価するのは難しいんだよね。

 だって、空の境界がそれなりに好きな俺には、面白いけれど、アニメとしてみた場合、とても面白いとは思えないんだもの。
 とりあえず、次も買って見て評価かなあ。次は殺人考察(前)だし、会話とかももっとあるしなあ。あったよなあ。過去編だけに、もっと断片的にされてしまったらとおもうが。
 あと、原作で、最期に黒桐が式に「男言葉はやめろ、式は女の子なんだから」って台詞があるんだけど、原作だと、男口調の式が実は女だったという、すごくセコイサプライズがあったんだが、アニメだと女にしか見えないから、意味のない台詞になっちゃったよなあ。これは削ってよかった気もする。

 あと、スタッフロールで鮮花ってキャストにあったんだが、いつ出てきたっけと首を傾げてたら、エンディング曲終わってから出てきた。ある意味すげえサプライズ。確かに、原作でもちょっと出てきてたよな。

 逃走には二種類あって浮遊と飛行とか、昔から思ってたが、いまだに謎のままだった。映像化されてもこの台詞の意味が理解できない。奈須語を理解するのは難しいよなあ。
 ちなみに1時間もなかった。この話でどうやって90分引っ張るんだろうとおもったが、もとより45分くらいの作品なんだな。
 それで7000円は高いんじゃないか。まあ、サントラとかついてるみたいだけど。

 どうせ、何十万人と信者がいるので、マンセーはそいつらに任せるとして、とりあえず、空の境界が好きな人は買いじゃないかなあ。
 Fateでファンになった人は外してもいいかも。結構毛色が違うし。
 ただ、アニメの独特の空気感はすばらしいと思う、雰囲気アニメだと俺が言う理由がわかるはずだ。なんていうの、80年台のOVAみたいな視聴者そっちのけの製作側のオナニーのような独特感。アニメ大好きでアムネジアの風を見たときの感覚に似てる*1
 まあ、なんともいえない作品だねえ。けど、原作知らない人を完全に放置して原作重視で行くか、それとも原作ブレイクするか、作る側も迷う作品だと思うんだよね。ただ、新宿テアトルのみでしか放映しないとか、そういう方式考えれば、原作ファンのみ取り込むって作り一択しかなかった気もするから、きっとこれで正解なんだろうな。
 文章では余り感じてなかったが、アニメになって感じたのは、式の予想以上のツンデレぶりだろうか。しかもはだかワイシャツですよ。全部、黒桐の趣味に違いない。式以外の女にはED以外の何者でもないくせに。

*1:共感できる人が多分いません