月姫10巻

 長かった漫画版月姫もようやく終わり。単行本数としては10巻と、長くもなく短くもなく。ただ、この手の漫画化エロゲーにしては珍しく長い部類になるだろうか。それもこれも、月姫というか月型の人気故というものか。7年半連載してたとのことだが、よくよく考えたらFateより前から連載していたわけなんだよな。しかし、同人ゲームとしては破格の扱いだろう。俺もいまだに全部持ってるし。この前ちょっとやろうとしたらグラフィックのしょぼさと、文章の意味不明さに耐えられずにやめたが。こりゃ、おとなしくリメイク待ちだな。
 正直、この漫画版をベースにもう一度アニメ化してもらいたいものだ。
 作品としては、一番ボーイミーツガールを地で行くアルクルートなので、もやもやしたものがなくすっきり終わる。最後もお約束だけどきれいにまとまる。その代わり、いくつか伏線が回収されていないけど、その伏線そのものも、話に直接はかかわらないし、作者がさりげなく混ぜるようにしているので作品としては気にならない。なので、裏月姫(ようは遠野家に関するドロドロした部分)をやってないのですっきりと終わるんだろうな。双子メイドと妹がらみの話になるとどうももやもやした終わり方になるから。でも、確かにそこに魅力があったんだよなあ。あの、なんともいえない読後感っていうやつ。
 個人的には、月姫やったことない人にお勧めの漫画だと思う。やっているとどうしても裏のことを考えてしまうから。原作知らなくてもきちんと最後まで理解してよめる、そして、原作知っている人でも原作よりわかりやすくなるという珍しい作品だといえる。たいていこの手の作品は、原作を知っている人向けか、逆に原作知っている人を激怒させるかのどちらかしかないから。
 その理由は、佐々木少年さんの話のまとめ方と絵がうまいと言う点と、原作の稚拙さがなくなったからなんだろうな。
 まあ、これを読んで月姫を・・・と、いいたいけれど、これもう売ってないんだよなあ。さっさとリメイクしろよなあ。