GIANT KILLING

 サッカー漫画。
 言っておくが、俺個人はサッカーがわからない。
 いや、ルールとかは大体知ってるし選手も少しくらいならわかる。海外にどんなリーグがあるかってのも一般常識レベルでは知ってるつもり。サカつくとかやってるしね。
 俺がサッカーをそれでも知らないというのは理由がある。
 ぶっちゃけ、サッカー見て何が楽しいかわからん。
 点が入る瞬間とかは面白いのはわかるけど、大半はどこに注目したら良いのかがわからない。急に得点のチャンスになったりするから中途半端に見ることもできない。ようは、サッカーの楽しみ方を知らないというのが正しい。だから、サッカーという競技はあまり好きではない。野球とかはバレーとかはその点とってもわかりやすいと思う。まあ、野球でも突発的にホームランで得点ってのはあるけどさ。
 そんな俺がサッカー漫画について語るのもどうよ? って思うが、それでもこの漫画は面白いと思う。
 やはり主人公が選手ではなく監督だというのが一番面白い点だろう。
 まあ、チーム全体が主役という味方もあるが主人公は監督で良いだろう。こういう切り口が面白いと思う。試合では結局選手たちに注目が集まるから、やはり選手目線のシーンも多いが。それでも、選手に埋もれず監督の存在感というのを常に発揮し続けるというのはこりゃ原作者の話作りがうまいからだろうな。
 こういった、スポーツ選手以外の視点のスポーツ漫画ってのは最近増えつつあるように思える。野球漫画なんかはその傾向が強く、主人公はあくまで選手だが、監督やらベンチの機微も描写する漫画が多いように思える。そういった指揮者も含めてチームなんだという認識は大切なんだと思う。
 この漫画はそういった選手以外の主人公という切り口と、弱小チームが再生して強くなってタイトルどおりジャイアントキリングしていくのが痛快な作品といえよう。
 サッカーのリアルと、漫画ゆえの非リアルがうまくかみ合っているといえる。だから読んでて面白いんだろうな。
 たまに出てくるリアル指向は大いに結構なのだが、あまりにそちらに傾倒しすぎて漫画ゆえのありえない楽しさってのも大切にしてもらいたいものだ。その点、この漫画はその配分が非常にうまいんだと思う。
 モーニングはたまにとんでもない傑作が出てくるからあなどれないんだよなあ。