スーパーロボット大戦UX クリア

 ようやくクリア。52話もあり、なかなかのボリュームだった。

 
 参戦作品が特殊といえば特殊で、色物スパロボとみられがちで俺もそう思ってたのだが、
 ところがどっこい、かなり良質なクロスオーバー作品だった。
 そのクロスオーバーの妙ではスパロボクロスオーバー最高傑作の異名を持つスパロボWにやや劣るが、登場作品の特徴をまとめたシナリオの妙はWのそれを上回るといえる。
 いってしまえば、スパロボWに勝るとも劣らない作品といえよう。
 GBA以降展開された携帯スパロボシリーズ*1は、大体がグラフィックで劣っている部分を
 シナリオでカバーしているといっていい作品が多い。その代り名作と呼ばれる作品も多いのが特徴で、ざっと名前を上げると、A、D、Wあたりは相当な名作といっていい。
 ただ、Kのミストさんと音楽パクリ問題、そのほかにもシナリオ改悪で、今まで培った名声が地に落ち、その次に出たLは小粒な作品になってしまった。
 それらを払拭して良質なシナリオと大胆なクロスオーバーを実現しているのが、今作といえる。


 ただ、DSで異様にグラフィック頑張ったW、K、Lに比べると、3DSという新ハードの割に戦闘アニメはややおとなしめという印象はぬぐえない。
 Zシリーズでの批判からか、シンプルでテンポの良いアニメーションには仕上がっているのだが、とどめ演出が少なかったり、BGMが足りていなかったりと、少し不満である。
 特にデモンベインあたりは。レムリアインパクトのときは機神昇華に変更してほしかったし*2、シャイニングトラペゾヘドロンの時は、神の摂理に挑むものにしてほしかったし。


 今回の作品のテーマは異質な知的生命体との接触となるだろうか。フェストゥム、ELS、ヴァジュラ、スクラッグなどの宇宙から来た異質な生命体、異世界のことなり価値観を持ったバイストンウェルから来た人間たち*3特に前者の宇宙から来た異形の知的生命体たちとのファーストコンタクトがメインな話で、ずいぶんSFチックな話でもある。
 これにイデオンを混ぜると「俺たち出来損ないの人類は〜」になってしまってわかりあうという結論が出てこなくなるのだが、ちゃんとこちらは和解方向で話が進む。
 それだけに、根っこからの悪役というのがほとんどおらず、すべてハザードに押し付けられてしまう。まさかのハザード大躍進。


 オリジナルのラスボスはついに、本物の神様が登場して、宇宙をいったん終焉させようとする。話の規模のでかさなら第三次スパロボαすら超えてしまっている。
 というのも、その宇宙の範囲が、現在の宇宙ではなく、輪廻を含めた全宇宙を一度リセットしようとしているためだ。
 話がこんなにでかくなったのも、ナイアさんが、宇宙を何億回と宇宙をループさせてしまい、宇宙の容量に余裕がなくなってしまったのが原因。
 デモンベインのスケールに合わせたらこんな話になってしまったと。
 伏線はすごい序盤から張られていたのだが、最後数話で急に話の規模がデカくなってしまうのは仕方ないのかなあ。タイムワープものと思わせておいて実は・・・という展開でもあった。
 この辺は非常にこった作りになっている。
 しかし、断片的な情報で最終的にすべてを推測する孔明先生はすごすぎる。
 あと、孔明先生が指揮官として優秀だが別の指揮官使わないと隠し要素が出ないらしい。まさに孔明の罠


 1週目では1個も隠し要素が出なかった。リベルレギスくらいはでそうだと思ったんだがなあ。


 とにかく、非常に良質なスパロボである。グラフィックのZシリーズ、クロスオーバーの携帯スパロボ、この異名の面目躍如といったところだろうか。
 Wの時のようにじわ売れしてくれることを祈ろう。そうすればデモンベインがもう一回でれるかもしれない。次はPS2版と飛翔で。

*1:メインストリームといえるスパロボZシリーズがPSPで展開されたため、この言い方は正確ではないけど

*2:曲自体は衆力してるわけだし

*3:ダンバインのテーマもそこにあった