薬師寺涼子の怪奇事件簿 夜光曲

　漫画じゃないけど、まあ活字もこのカテゴリーで。最近そんなに読んでないし。
　薬師寺涼子シリーズの最新作。書いてるのは田中芳樹。
　まあ、ある意味いつもと同じ内容なので安心して読める。毎回同じ話だから(ほんとにパターンどおり)作品レベルが上下しない。ちょっとでも面白いと思った人は多分ずっと読んでいけるか2巻読んだあたりで飽きるかどっちか。俺は前者。
　田中芳樹の作品の中ではおそらく下のほうの出来。ただ、書いてる本人がえらく気に入ってるらしく、続いているシリーズ物では一番刊行率が高い。
　まあ、漫画好きの田中芳樹がGS美神あたりからキャラクターの造詣を大幅にパクったってのは呼んで1分でわかる。
　この話は薬師寺涼子なんかみてても個人的に面白くない。なんにせよ、美神令子の色違いキャラだからだ。ただ、この場合違うのがいっしょにいるのが横島忠雄ではなく、泉田準一郎という人物であること。ぶっちゃけ、こいつが愚痴りながらも手綱を取って事件解決へと導く様が面白い。とおもってる。この手のキャラは大抵一人で暴走して周りが巻き込まれるが、その際に被害を最小に抑えようと努力するキャラクターは比較的珍しいのでは無いかと思う。
　まあ、頭空っぽにして読めばそれなりに楽しめる作品。
　しかし、アルスラーン再開宣言(したって聞いたけどホント？)の割に続き書かないし、創竜伝は出せば出すほどつまんなくなっていくし、この人ほど才能が枯渇していく様が眼に見えてわかる作家も珍しいよなあ。
　この人の好きな小説は、銀河英雄伝説とマヴァール年代記、あとタイタニア。途中で切れてるけど。風よ万里を翔けよも好きかなあ。主人公の影が薄いけど。