機神飛翔デモンベイン 完結

 結局、1日で終わってしまった。
 案外短かったしね。まあ、一応アクションゲームを銘打ってるしなあ。
 たしかに、映画版デモンベインというところか。OVA版って感じもするけど。
 アクション部分はなれると、そんなにおかしくは感じなくなる。多分、感覚が麻痺しちゃってるのだろう。当たり判定がおかしかったり、敵が変なスーパーアーマー持ってるんじゃねえかって疑いたくなる瞬間が多々あるが。
 まあ、でも、確かに、アクション無しの全編ノベル版機神飛翔を出して欲しいなあとは確かにおもう。
 ノベルパートは大満足ですよ。鋼屋節大炸裂。
 ただしく、デモンベインやってます。
 前作好きなら、間違いなくやるべき作品。
 点数は100点中65点というところか。もちろん原点部分はアクション部分でマイナス30点くらいで。
 っていうか、このゲーム、他人にお奨めできないよ。俺の中では究極の作品のひとつなんだが。
 以下ネタバレ。主に人物感想中心です。
 ストーリー
 とにかく、失われたデモンベインをどう出すかがポイント。アルアジフの記憶を紐解いて、すべてを混ぜこぜにするという荒業を持ってきた。確かに、アル・アジフはすべての記憶持ってるからなあ。
 そんで、世界を塗り替えるという大魔術を実行する。範囲はアーカムシティ全部。相変わらずろくでもないことに巻き込まれる街だ。
 全部を、アナザーブラッドが紡ぐ悪夢ということにしてあるので、再生怪人はいくらでも出放題なわけで。この時点でアンチクロスのかませ犬化は決定したようなもの。
 ラバン・シュリュズベリィVSクラウディウスという、セラエノ対決というベタな展開を見せる一方、終盤の獣VS獣には驚かされた。なるほど、そう持ってくるか。
 で、最後はやっぱり、ナイアさんの出番。やっぱそう来なきゃね。
 全体的には非常にテンポ良く話が進む。舞台の日数も3日ほどの出来事なのだろう。が、その割りに内容濃いけどね。前作以上にクライマックスの連続で、ガオガイガーFINALみたいな様相を呈している。ちなみに、内容的にスパロボに組み込まれた場合、全部のラスボスが復帰しそうな勢いだ。なので、是非参加させてください。この話組み込めば死んだはずのキャラを何の違和感も無しに出せますよ。
 まあ、前作ほどの絶望感はあまりないけど。何より、覇道側にデウスマキナが4体もいる時点で・・・。前作はどんな局面でもデモンベイン1機だったわけだしね。


大十字九郎:序盤、油断しすぎなのか、怠けすぎなのか、遅れを取り捲る。一応、素手デモンベイン吹き飛ばせるマスターテリオンに勝ったはずなのになあ。確かに、雨の日の大佐状態だな。しかし、アルとのラブラブっぷりはどうよ。とはいえ、以前の罵り合う関係でもあるが。まあ、この人に関しては語ることないんだよね。結局、全部ねじ伏せて進んじゃうのが目に見えてるのだから。しかし、パーパには笑った。突っ込みの内容が予想できちゃうしね。シリアスでシリアスになりきれない人その1は相変わらずだ。人の事言えんよ。まあ、九郎は背中で父を語れるのがかっこよかった。

アル・アジフ:顔がずいぶんと大人びてしまったが、今回の役どころは囚われのお姫様+お母さんなので、まあいいかも。とはいえ、九郎がちゃんとお父さんやるのに対して、こっちはあまり母親らしくないけど。しかし、最後の復活時の台詞がすべてだな。シリアスでシリアスになりきれない人その2。君も人の事いえない。

大十字九朔:はい、予想通り九郎とアルの息子。ただし、旧神エンドの九郎とアルの子供でもある。だから、いつの時代の子供かどうかは不明。まあ、旧神エンドの後だとはおもうけどね。デモンベインに乗せて送っちゃったし。エディプスコンプレックスの塊のような人かとおもってたが、ただ、捨てられたことを根に持ってただけか。の、割りにアルには食って掛からないんだが。まあ、話がややこしくなったのは全部こいつの精神的もろさなのだけど。九郎が言うとおり、親が子供を捨てたらぐれたっていうのも正しいが。一見まともそうだが、ロリコンでマザコンファザコンと救いがたい特性をもっている。挙句にアナザーブラッドとの究極のナルキッソス愛。親はただの熱血ロリコンだったのに変態三位一体にパワーアップしてやがる。

アナザーブラッド:もう一人の大十字九朔。正体に関しては意外だった。発売前の予想は大いに外れてました。で、切り捨てられて終わりかとおもったら、きっちり三位一体の一部になって復活するし。今回の話は、彼女の物語。ある意味黒幕であり主役なんだよなあ。最初予想した、九朔のパートナーという位置に最後でようやく到達するわけだが。しかし、デモンベイン2台で真のトゥーソードか。じゃあ、こいつが呼べる赤いデモンベインは? まあ、アレは序盤で壊れて捨てちゃったみたいだけど。護ってくれないデモンベインを恨んでたみたいだしね。しかし、元の世界に戻った後、彼女どうするんだろうね。特に呼び名に問題がありそうだが。

マスターテリオン:今回の話のポイントは、前作の補完でもあること。宇宙にエセルドレーダ二人で放り出されて星になってしまったマスターテリオンだが、悪夢としてよみがえり、母と邂逅し、そして、もう絶望することがないことを知り、二人の世界に戻っていく。まあ成仏したようなものだ。

エセルドレーダ:まあ、立ち位置は変わらず。しかし、やっぱり、マスターテリオンに呼び出されて現れるシーンは鳥肌が立った。相変わらずかわいいしなあ。まあ、マスターテリオンとセットで一人みたいな人だからな。

ネロ:出てくるとはおもわんかった。いや、ホントに。前作ではあまり語られなかった、母としてのネロ。生まれた子供を忌み嫌い、呪い、殺そうとする。まあ、望まれなかった子供だからなあ。ヒノカグツチの如く、母を殺して生まれるわけだし。でも、呪詛のネロこそがプログラムであり、その後には、九郎たちの知っているエンネアとして、さまよえるマスターテリオンを光で包んでいく。今回、親と子というのが表に出てるよな。

アズラッド:まず、声が反則。置鮎さんが、ノリノリでアイオーンアイオーンとバリトンの聞いた声で叫びまくる。この人の、イア、クトゥグアの叫びはホントに神への嘆願という感じで震えが来る。機神飛翔の側面に、別ルートと外伝の回収というのがあって、この人もそれ。小説外伝の補完的な部分が多い。特に終盤。ぶっちゃけ、死ぬ時。小説外伝の最後のアルの叫び、アズラッドはそれを聞くこともなく、魂をアルハザードのランプに喰われて死んだわけだが、それに対するやり取り。むざむざ死なせてしまい、そして消え行くアズラッドに何も出来ないアルの悲痛。そして、それでもなお、希望を残して消えていく。この人、かっこよすぎだよ。最後はアルへの謝罪の言葉で消えるかとおもったが、九朔への励ましを残すし。ちゃんと、ナイアとの絡みもあるしね。ねえ、これ、アニメ化しない?

イカメタトロンへの復帰、そして、このルートでは決着の付かなかったサンダルフォンとの決着と、ライカルートの内容をこっちに組み込む布石。って感じだなあ。続編出るかどうかはわからないけど、続編出した場合の伏線と言うべきか。しかし、変神の台詞は鳥肌立ったぜ。かっこいいなあ。とはいえ、終盤出番がめちゃくちゃ少ないですが。

ラバン:めちゃくちゃおいしいところを持っていく人なのだが、話に全然絡んでこない人。ホラーハンターとしてただ戦ってただけなんだよね。アズラッド、九朔、九郎と3人の鬼機神の乗り手は話にひどく絡んでくるのに、この人、ホントに戦うだけなの。惜しいなあ、めちゃくちゃかっこいいんだけど。

ハズキ:セラエノ断章の精霊。ラバンが自ら翻訳した書の模様。ということは、クラウディウスが持つ英語版と同じというところなのかな。何故、2冊セラエノ断章があるのかとか、その辺は解決しないまま終わっちゃったけど。しかし、アンブロシウスはなんか燃料があってなくなると動かなくなる模様。高機動のつけかね? しかし、移動が早いので戦闘ではえらい楽。萌えシーンも見せ場もあんまりなかったなあ。まあ、パートナーが濃すぎる。

ドクターウェスト:出番は少ない。が、最重要の活躍をする。キチガイは空気を読めない。しかし、読めないがゆえに彼だけは摂理を超越できる。
 正直、デモンベイン復活の部分は大爆笑でした。
 なに、あの超シリアス場面で突然現れ、突然、デモンベインを完成させる荒業。
 そりゃ、アナザーブラッドもアルも「えーーーーーー」って言いたくなるわ。基本部分が出来ていたとはいえ、デモンベインはドクターウェストが完成させましたってのが。となると、異世界のトゥーソードも彼がかかわってるのかもなあ。強化したって九朔は言ってたし。出番は少ないけれど、存在感だけは見事なほど発揮してました。しかし、ウェストが一瞬で修復した、デモンベインにやる気なさそうに乗ったアルに笑った。

エルザ:ウェストが大金星を上げる一方、完全にモブキャラとなっている。鋼屋先生。前作で彼女のシナリオも考えてた位のキャラなのに、この扱いはひどすぎる。月姫のさっちん以下じゃないか。もはや、ウェストのお囃子キャラでしかない。非常に残念だ。今回はロボットバトルがメインなので確かにだしにくいのだろうが。我埋葬にあたわずを一度も使用しないくらい出番がないなんて・・・。