地獄先生ぬ〜べ〜 読了

 そんなわけで、最終巻まで読んだ。
 全体的にほとんどないようにぶれが無く終わった珍しい漫画といえる。文庫版の作者側の裏話にあるように、いろんな試行錯誤やてこ入れは当然あるのだが。それでも最初のコンセプトをほとんど守ったまま最後まで続いた漫画ってのは珍しい。特に、こういう1話完結形式の話が6年近くにわたって続くってのは珍しいしね。異様に長い漫画ならぶれずに進むことはあるのだが。もっとも終わりそうに無いけど。
 とはいえ、25巻あたりを境にとたんに面白くなくなり始める。理由は簡単。25巻のバトル物連続6話で一見さんからの人気が増えたため、その後、何度も連続物を続け始めたためだと思う。ようは、ジャンプによくある、バトル物への道を歩み始めたわけだ。もっとも、そればかりではないが。
 まあ、それは作り手側も自覚してたのか、25巻を越えた辺りからだんだんと、話をまとめ始めているのだけれど。タマモの話に決着をつけたり、主演回数何回とか、いろんな面で終わりが近いという空気が漂っている。あとは、終わりが見えたためか、えらいはっちゃけた話が増えていく。特に眠鬼の話は、はっちゃけすぎだろう。3鬼の決着である、鬼の手との決着話もイマイチだったしな。とはいえ、最終回間際のまとめは非常にうまいものがあるのだが。もっとも、このあたりのラスト近辺は、ある程度考えていたんじゃないかと思うけど。響子によって、5年3組の生徒の成長を感じさせ、ゆきめとの結婚、そして、別れと非常に奇麗にまとめてある。ジャンプの漫画で人気あったのに、非常に不遇な終わり方をさせられたり、逆に長くやりすぎて、作者が嫌になって尻切れになって終わった漫画などはいくらでもある中、こんなけきっちりと奇麗に終わらせられた漫画はホント珍しいよなあ。