クロノベルト クロノベルト

 そんなわけで、第三章。ある意味本編。
 まあ、Fateホロウみたいなループ物なのだが・・・。
 以下ネタバレ
 ループ物なのだが、ちょいと毛色が違う。
 どちらかというと、ホロウというより、空の境界の荒耶が作ったマンションの規模の大きなものか。
 とはいえ、ループ物としてはちょい、選択肢が弱い。ホロウの如く、いろんなイベントを期待するとかなり肩透かしを食う。
 というのも、舌足らずの世界で、完全じゃない人物たちが模倣の生活を送るため、どうしても選択肢が狭まる。非戦闘員は一切出てこない。なので、すずは存在すらしない。まあ、すずが存在しないのがきっかけになるのだが、メインヒロインの扱いとしてこれはどうよと。なにしろ、すずと逢難以外のヒロインはみんな登場してるし。
 ループ世界なのだが、このループ世界事態が神沢市とゴルドロックの一部がくっついた偽者混沌都市で、同時に、一部を除いたほぼ全てが、コピー人間だったりする。そのコピー人間たちは、仲に仕込まれたスパイの手により疑心暗鬼と憎悪を植えつけられ、その憎悪のままに殺しあう。ループするたびに記憶は消えるが、刻まれた憎悪は残り、敵と会えば殺しあう。そんな世界。12時間たてばループし、死んでもループ。死んだら、復元されるんじゃなくて、新しい肉体に記憶を刻まれるという、それって何体偽者しんだんだよって話。ちなみに双七は64〜70回くらい。ループをわざと繰り返せばもっと増える増える。
 なんていうのだろう、偽者でも本物だと思えば本物だって話かな。九鬼先生は少なくともそういってた。
 九鬼先生やアルフレッドは本物で、リックや双七は偽者、ベイルも本来の力を発揮できないためただのうるさい銃。輝義との掛け合いが良かった。声優同じだから一人漫才だが。
 彼らは結局、自分が偽者だと知りつつも、それを乗り越え、神を倒し、偽りの世界に終止符を打つか、もしくはその世界を維持する事を選択する。
 まあ、ラストでそういう選択肢があるだけだが。どちらもそれなりに味のあるエンディング。世界を破壊した場合はバレッドバトラーズの世界で最強ランクの技ギリン・ガヤが再びお目見え。しかも、アルフレッドとリックの競演で。本編ではヴァレリアルートでアルフレッドの死後に使っただけだしねえ。バージョンもグール&アクエリアスではなく、カットスロート&ファンタズムバージョンで。これはある意味新技。
 世界を維持する場合は、双七が美味しいところを持っていく。ケルプでパワーアップして、すんごいでっかい剣を作ってチェーンソー*1で神様真っ二つ。どこのサガだ^^。まあトーニャが「これも生き物のサガか」って言ってたし。個人的にはこの剣で焔錐をして欲しかった。魔人双七の魔刃・焔螺子のように。
 で、それぞれのその後が語られエンディング。
 その後を締めるのは、自らの物語の終焉を迎える九鬼耀鋼。
 幽世の狭間で父を待っていた息子とともに、あの世に旅立つ。
 他の人たちの物語は続いても、九鬼耀鋼というひとりの鬼の物語はここでおしまい。
 結局、全体を通して、九鬼先生のための終焉の物語だったわけで。
 バレッドバトラーズはなんか続編でそうな空気。小説で展開なのかは不明だが。何しろ、マグダラが生き延びてたしねえ。
 二日でよもや終えてしまうとは思わなかったが、面白かったなあ。
 まあ、九鬼先生ファンならやるしかないだろう。
 

*1:のようなもの