ドラゴンキングダム

 やっと見てきた。ホントは先週見ようと思ったのだが、映画館行ったらアホほど人がいた+ろくな席が残ってなかった+休日出勤で疲れてたの3コンボだったため、見なかったんだよな。
 で、今日も週末+レイトショーだったせいか、そこそこ混んでた。まあ、一番いい席で見れたけどね。一人ってのはこういう時お得なんだよな。

 最新のコンピュータグラフィック使って、セットも豪華になっている、ジャッキーとジェットリーの夢の競演でもある。が、その内容は、70年代のジャッキー映画と行ってもいい。無論、無駄に話は大げさになっているが、弱い男が、強い男にあこがれて、修行して強くなって目的を果たすという、古き良きカンフー映画というのが一番近い。
 変わっているのは、その弱くてへなちょこな若者がジャッキーじゃなくなり、ジャッキーは逆に教える側になったということか。
 なので、主人公がラスボスと一騎打ちとかやらない。だって、二大スターがいるもの。
 ただ、ジャッキーは自分の方が年配だから引いたのか、ラスボスと戦うのはジェットリーだったりする。最強キャラクターもジェットリー。でも、ジャッキーは脇に回ってもいい味出してる。そういう意味では、ジャッキーの新境地かもしれない。主人公の良き師であり、良き友であり、コメディリリーフである。話の中心ではないが、やはり存在感がありまくる。
 もっとも、ジャッキーアクションは健在で、これが54歳の動きかと思うぐらい激しい格闘を見せてくれる。ぶっちゃけて言うなら、ラストバトルより、ジャッキーVSジェットリーのほうが最大の山場だったりする。ドローになるのはまあ、お約束だろう。やはり、ジャッキーの酔拳はかっこよすぎる。酔拳酔拳2が見たくなってきた。
 ジャッキーと言う役者は、やはり稀有な存在だなと思うのは、ワイヤーアクションがない方がいい動きを見せるという点だろう。この男にワイヤーアクションは不要すぎる。むしろやるとダメになる。いや、昔からある程度はワイヤーアクションしてたんだけどさ。でも改めて、そう思った。21歳のなんか知らん人がジャッキーの後継者とかって選ばれたみたいだが、こいつの後継者になるのはちょっと難しいんじゃないかな。ジェットリーやチャウインシーもすごいが、ジャッキーの後釜にはなれない。まあ、二人は二人の味があるから、独自路線で進んでいっていいんだが。
 基本的な話が、古典カンフー映画なので、主人公の成長が密かにみててほほえましい。弱虫が強くなっていくのは王道とはいえやはりいいものだ。ただ、この映画独特なのは、やはり4人のパーティの中では最弱であること。でも、話のキーパーソンであるわけで、そんなわけで、最後の敵がいじめっ子なのは結局、ジャッキーやジェットがいても、彼が主人公であるという証拠なのだ。
 残念なのは、修行シーンが短く、急激に強くなってしまう印象があることか。酔拳並みの修行シーンをとは言わないが、もう少し強くなる過程に力を入れて欲しかった。
 主人公が強くなる過程をよく表現した作品に、邦題でカンニングモンキー天中拳という作品があって、これがだんだんジャッキーが強くなっていくというのを端的に示していたなあ。話も、スケールこそ小さいが、このドラゴンキングダムに似ている部分がある。見てみる価値はあると思う。
 久々に、ジャッキーのカンフーが見れて楽しかったなあ。やっぱ、シャンハイシリーズやラッシュアワーはジャッキー映画としては詰まんない部類にはいってしまうね・・・。