赫炎のインガノック

 テイルズでボスに負けまくってむかついたので違う積みゲーに手を出す。つってもあんまり積んでないんだけどさ。
 設定だけ見て買うだけ買ってすっかり満足してた赫炎のインガノック。せきえんと読むらしい。
 あらすじはこんな感じ。
 完全環境都市として作られたインガノック*1それが崩壊して10年。人体が変容し多種の変異体が住む都市となったインガノック。世界から隔絶されたこの世界において人は貧しくもたくましく生きていた。
 そんななか、巡回医師であるギーはキーアという少女と出会う。

 内容は御伽噺時代劇というべきか。基本1話完結で、主人公は奇戒というスタンドみたいなのを使ってクラックと呼ばれる化け物を退治していく話。
 ただし、最近エロゲー界を席巻している燃えゲーのようなバトル物ではなく、バトルはあくまで刺身のつま。水戸黄門の印籠みたいなものである。話の主体は、そこにいたるまでの道筋であり、インガノックに住む人々に焦点を当てている。
 そこには儚く切なく、けれど、世界から隔離された下層民たちの強くて逞しい生き様が描かれているわけだ。
 特殊な世界観と特殊な空間で行われる人情劇と言うのが一番近い。人の機微を扱う関係、必ずしもハッピーエンドではない。どこか切ない終わり方をするものばかり。けれど、人は歪んだ世界に翻弄されながらも日々を生きていく。

 なんていえばいいんだろう、ひどく独特の物語。結局、ファンタジー小説や戦国系歴史物、ちょっとだけ推理小説しか触れて生きてない俺からすれば、初めて接するタイプの物語。現代を扱った小説でもどこかバトル物に偏っているので、こういった物語はずいぶんと心に響く。いままでの読書の幅がいかに狭かったかよくわかるわけだが。そんなわけで、初体験の物語に影響を受けまくるわけですよ。
 まだ5章を終わった段階だけど、こりゃ神ゲーの予感がひしひしと伝わってくるわけで。
 ああ、続きがしたい。
 テイルズのボスが強すぎて倒せない。レベル上げてくるか。

*1:わかりやすく言うと、1個の都市で需要と供給が完結する都市。火の鳥未来編のドームポリスがイメージとして近いか。