ラストレムナント

ゲーム

　さて、なんと形容すればいいゲームだろうか。
　まだ1枚目が終わったところなので最終的な評価ではないとまず断っておいて、
　非常に「惜しい」作品である。
　
　1枚目が終わった時点で言うならば、まず、「つかみ」が弱い。ぜんぜん盛り上がらないまま1枚目が終わる。まあ、ストーリーが中心じゃないゲームならそれでいいんだろうが、このゲーム、ここまではあくまでストーリーを中心に進む。だから、つかみが弱いまま進む。なので、このゲームのバトルの何が面白いのかさっぱりわからないまま話がプレイ時間にして数時間進む。新システムゆえか、チュートリアル的な話が最初にあって、そこからサガのように自由度を高めればいいのだが、パーティの編成もストーリーの編成もなんの自由度も無いまま話が進むのだ。
　ようやく自在にPTが組めるようになっても編成数も少なく、結局は独特のバトルシステムを楽しめない。思うに、このゲーム、フリーシナリオシステムにして、もっと早く４PTくらい自由に組めるようなゲームにするべきだったのだと思う。そうすれば、大人数のPTを操る次世代機ならではのRPGとして確立できたのだろう。
　で、新システムなのだが、複数のPTを操る独特のゲームである。ただし、いろんな難点がある。せっかくの魔法オンリーの部隊を入れておいても、魔法を使おうとすると何故か接敵する。回復魔法なら接敵しないのだが、攻撃魔法なら接敵する。遠距離部隊と接近部隊と分けたのに余り意味が無かったり。まあ、回復オンリー部隊を作っておくのは強敵に対する定石のようだが。PTに対する細かい支持も出せないと不満が多い。ここで、個人に命令出せればもっと効率よく戦えるのにという場面がいくらでもあるのだ。
　また、アイテム合成システムがあっても、味方に作った装備を自由にあげることができない、向こうがくれというまであげれない。
　とにかく、細かい不備が目立つ。その上で、ストーリー中心のゲームにあわないシステムだと思う。ストーリー中心なのに、ストーリーが短い、詰まんないというのも不満の原因だが。それでも舌足らずで唐突なシナリオでもゲームが面白ければ楽しめるのだ。FF12なんかがその典型だろう。FF12なんてストーリーなんて思い出したときにやればよく、基本的にモブ退治と育成がすべてだったし。
　最近のゲームにありがちな、演出部分やプレイヤーが介入できない部分が長く、結局ストーリーも短いのに何故かプレイ時間だけが加算されていくという典型的な次世代機ゲームという側面が目立つ。特に戦闘の長さは異常。大部隊対大部隊という戦闘コンセプトが原因だが、とにかく長い。俺の場合、雑魚戦なんてめんどくさくて、接敵したらボタン押しっぱなしでテレビのチャンネルを変える。そのくらい長いし意味が無い。とりあえず、タイミング合わせてボタンを押したらクリティカルやらカウンターってシステムもあるが、毎回発生するわけじゃないし、別に雑魚戦ならどうでもいい。ロストオデッセイでもそうだが、長すぎる演出のカバーにこういったタイミングを合わせて何かさせるというシステムが最近目立つ気がする。なら、長すぎる演出を何とかしろと俺は言いたいのだが。ぶっちゃけていうなら、攻撃モーションをまるっきりカットできるジルオールくらいの思いっきりのよさが欲しい。もう、「ビジュアルすごいでしょ？　演算システムすごいでしょ？　すごい技術でしょ？　見ろ！」みたいなのはいらない。そんなのはスパロボだけでいいのである。スパロボはそういう演出を見るゲーム･･･いや、ツールだし。
　と、けなしっぱなしだが、俺はあえてこのゲームを推したい。
　
　まず、この大人数対大人数というコンセプト、もっと煮詰める必要はあると思うものの、次世代機のパワーが必要なシステムだと思う。まあ、SFCでも出来ないことは無いだろうが。数字の上で処理するならという話になるけどね。とにかく、次世代機じゃないと出来ないものを作ろうという姿勢はすばらしいと思う。しかも映像に頼りきったものではなくゲームシステムとしてそれをやろうとするのがポイントだ。今までのスクエニだと全部映像で中身はSFC時代と何も変わってない*1というのが基本だったので、これはいい傾向だとおもう。
　そして、新規タイトルでこれをやったところもポイント。新しいことやるのだから、新しいタイトルで挑戦するのは当然だと思うが、それでもやはりシリーズのナンバリングつけてれば売れるだろう的に販売されるのが多い今のゲーム業界で、あえて新規タイトルというのが挑戦的でいい。まあ、挑戦的な姿勢とは言い切れない内容なのが難点だが。
　そんなわけで、ラストレムナントチームの次作に期待して、ラストレムナントを推して置く。
　まあ、あくまで投資の域を超えれない内容だが。2枚目でこれが覆ればいいと思うのだが。
　とはいえ、次世代機でこれだけパワーを食う内容のゲームを新規タイトルで出せるゲームなんて、いまやスクエニ、カプコン、任天堂くらいしかないだろうなあ。Wiiは次世代機と言い切れないから、任天堂はありえなさそうだし･･･。

*1:下手すりゃ劣化する