FF13 戦闘

 FF13の戦闘は少々変わっている。
 一見、かつてのアクティブタイムバトルのように見えて、実際そうなのだが、その本質は、コマンド入力でキャラクターに行動させることにあるわけではない。
 このゲームのプレイヤーは、状況にあわせた戦術を的確に選択することに主眼が置かれている。むろん、今までのRPGも個々にコマンドで指令を出すことで戦術を立てているのだが、FF13の場合は、よりアバウトに命令を出すだけのゲームなのだ。プレイヤーが操作するキャラクターのみコマンドを入力することが可能だが、実際はコマンド入力するよりある程度的確に動いてくれるオートコマンドを使うほうが効率がいい。コマンド入力の時間の間、プレイヤーが操作するキャラクターが止まることのほうが致命的だからだ。
 この簡略化された状況に応じた戦術を指示するだけという部分だけ見ると、「なんだボタン連打ゲーなだけじゃなくて戦闘もムービー鑑賞なのかよ」と思う人も多いと思うが、実際はそうではない。このゲーム、バトルスピードがかなり速く、状況は刻一刻と変化する。ちんたら迷って、あいつ回復して、あいつ強化して、こいつ防御してなんて到底できっこないのだ。だからあらかじめ決めてある6種類の作戦と各個人の役割分担で、最短の時間で的確な対処をする。言い過ぎかもしれないが、このゲームは小隊の指揮官になるゲームなのである。ディフェンダー、アタッカー、ジャマーの能力を持つものに、その役割を行うように命令を出すと、そのキャラクターはその役割と現在の状況から最適だと思われる行動を取ってくれる。ヒーラーなら回復、エンハンサーなら強化。アタッカーやブラスターなら弱点がわかっている敵なら的確に攻撃、弱点がわからない敵なら敵の弱点を模索しながら戦ってくれる。
 ただし、役割以外のことは絶対やらないから、全員が攻撃する役割になっていると、味方が死にそうになってもバーサーカーの如く戦い続ける。
 プレイヤーはめまぐるしく変わる戦況を判断しつつ、的確に味方に作戦を伝える役目なのだ。なんだ、DQのAIシステムじゃないか。とおもうだろうが、こっちは戦闘がリアルタイムで進行するから、もっと的確に命令を行わないと、即効死ぬ。しんでも即復帰できるシステムなので、雑魚でも容赦なく殺しに来る。
 この指揮官の部分を楽しいと感じるか、つまらないと感じるかで、このゲームの戦闘が、特徴的なものだと思えるか、それともボタン連打ゲーと判断するかの境目だと思う。
 個人的には非常に楽しめているのだが、このシステムだと、3人PTではなく、6人PTでもいけるような気がするんだよな。せっかくパワーのあるマシンでのゲームなのだ、PT入れ替えじゃなくて、6人PTで敵味方合わせて20体くらい入り混じった戦闘とかも出来たと思う。ラストレムナントなんかよりもずっと高いレベルでの小隊戦闘が実現できそうな気がするんだが。そのあたりがもったいないところか。
 前作のガンビット(やっと名前思い出した)システムとはまた別の方向性で、指揮官の立場を味わえるつくりになっている。前作はあらかじめフローチャートを作っておいて細かく動かすのだったが、今回は細かい部分は個人に任せ、大まかな指針によって戦闘をコントロールする形である。慣れてくると、どのタイミングで総攻撃、どういう状況が耐えどころかとかわかってくるようになるから面白い。

 あと11章から本番。広いフィールド楽しいぜ。といいたいところだが、やはりプロローグだけで25時間はやりすぎだと思う。
 今までのFFなら3時間で終わっていた部分だぞこれは。
 キャラクターの掘り下げに時間を割くのはいいと思うんだ。だからといって話をおろそかにするのもなあ。ゼノギアスなんて、キャラクターを掘り下げつつ異様に詰め込まれた濃いストーリーも展開してたんだし、ああいうつくりに出来ると思うんだよなあ。ストーリー主体にするなら、もっとぐいぐい盛上げる内容にしてもらいたいものだ。