無限のフロンティアエクシード

 ようやく20時間。結構長いなあ。20時間でようやく操作できる仲間が全員そろった。支援はまだまだ増えそうだけど。つうか、こいつら何十人でぞろぞろ歩いてるんだか。大所帯過ぎるだろう。一種の軍隊だぞこりゃ。まあ、本人たちも数の暴力だと自覚してるっぽいし。
 前作からそうだが、自分たちの奇妙な状況に対するツッコミを的確に入れるキャラクターたちだからなあ。どっちが悪役だかわかりゃしない。まあ、今のところ台詞だけ見れば前作のほうが悪党だが。
 支援キャラが増え、レベルが上がれば支援攻撃の回数も増えるため、ボスだろうが雑魚だろうが、3人から最大12人くらいで順にフルボッコとか普通にある。なまじボスはHPが多いものだから実時間にして3分ほど殴られ続けられるというかわいそうなやつも。まあ、ボスはボスで、必中、熱血で全体攻撃とか、HP最大でも食らえば死ぬ攻撃を終盤毎ターン繰り返してくるとか、結構えげつないんだが。これは前作からの仕様だし。
 しかし、細かいところでかなり力が入ってる。基本、前作使いまわしなのだが、カットインとかわかりづらい部分で同じようなものでも微妙に変化を加えてたりと、細かい部分でパワーアップしている。正直、前作の時点でDSの限界近い容量を使ってると思ったのだが、どこのこんな余力があったのかと聞きたくなるくらいパワーアップしている。
 このゲームのすごいところは、前作ファンを100%満足させることだけに集中して作ってあること。前作の良かったところは萌え要素も燃え要素も苦笑したくなるような中二くささまで全てパワーアップさせている。ゲームとしても前作の不満点は細かなところは修正してあるが、欠点を直すことでゲームが快適になるとしても、前作よりパワーダウンするならあえてそのままに、むしろ前よりその部分を強調してたりするから、その徹底振りに頭が下がる。
 昨今、続編と称して、前作をないがしろにしたりするゲームがかなり多い世の中で、前作をやってくれて喜んでくれた人に対してここまで正しく答えたゲームはまず無いといっていい。
 前作がダメだった人や前作のアンチ、スパロボのオリジナルキャラが嫌いな人、萌えとエロが嫌いな人、中二病が嫌いな人そういう人は、ばっさり切り捨てて、これらを全て受け入れる人のためだけに作られているといっていい。
 前作のテイストを全てパワーアップさせて前作の続きを作る、辛口な人間から言わせれば、使いまわし、焼き直し、前作と何が違うという話になるのだが、このゲームの場合はそれでいいのである。むしろ、全ての演出、爽快感、テンポの良い会話、程よいエロ、これらを徹底的に突き詰めていることを俺はほめたい。
 まさに一点突破型のゲームでいい。でも、面白いゲームってそういうものなんじゃないかと俺は思う。結局、中途半端に全員に受けようとしてつくって瞑想した挙句、ああなってしまったFF13なんかはなあ。FF12なんかは逆に、今までストーリーを求めていたひとばっさり切り捨てて賛否両論になったのだが、FF13はどっちつかずになって、結局は、ストーリーやムービーも止めてた人からも、ゲームを求めていた人からも両方からそっぽ向かれる結果になったのだから、そう思うと、どちらか突き詰めたほうが良かったと思う。100人いて100人に好かれるのは無理なんだ。じゃあ、せめて50人に好かれるものを作ればいいって話なんだろうが。逆にFFというブランドでは100人中100人を目指さなきゃいけないんだろうなあ。逆にそれを目指さなくて良い無限のフロンティアは、ほんと好きなように突き抜けて行ってくれているし。