戦国BASARA3 おおよそ総評

 今回のBASARAは、いうなれば、製作者のオナニーの集大成。褒め言葉でも有り、けなしでもある。
 とにかく中途半端な作り。2のような突き抜けた馬鹿さも無ければ、荒唐無稽な世界にもかかわらず何故か異様にシリアス。前作の竹中半兵衛なんかは、シリアスの中にも見た目で笑いをとっていたのだが、石田三成も大谷も笑いなんてまるでない。使用キャラからはほぼ完全にネタ要素は失せている。キャラの数も中途半端。前作までのキャラも中途半端に出演。
 結局は、馬鹿路線で突き抜ければいいものの、小林か山本かどっちかしらないけど、無双のバッタモノなのに無双と比較されてシリアス面ではやっぱ負けてるのが悔しかったのか、これまた中途半端に歴史の要素を突っ込み、シリアス路線に進んでみたという邪推しか出来ない。
 個々のストーリーはまあ、良かったり悪かったり、それはいつものこと。シリアス面で言うなら、家康も三成も大谷も成功しているとは思う。そういう意味では路線変更は出来るんじゃないだろうか。正直やめて欲しいけど。お馬鹿なバサラが好きだった俺としてはシリアス面のみ突出してお馬鹿面がかなり減衰したBASARAの魅力はかなり減っている。言うまでも無く、一度に使用できる技が増えたものの、ゲームそのものとしてはまるで進化しておらず、同時期に出たナインティナインナイツ2のほうが良く出来ているわけで、売りが馬鹿と腐女子向け要素しかなかったのに、馬鹿がなくなって腐女子向けオンリーになった感じ。誰得なんだろうこれ。ああ、腐女子得なわけか。腐りすぎてるな。パクリ大好きカプコンはこういう面でも腐っていくわけだ。
 そんなわけでボリュームは薄い。なんか、作った人たちは大ボリュームだといっているが、薄っぺら過ぎるボリュームである。確かに何十時間もプレイ可能だろうが、ぶっちゃけ飽きるのはやい。多分10時間程度で飽きる。というのも同じステージばかり、どのキャラでやっても同じステージばかり、キャラによって何か変わるかというとほとんど変わらない。無双も似たようなものだが、あっちは、キャラや戦の状況により、開始位置が変わったり、ボスが変わったりするが、このゲームはそんな要素はまるで無い。ステージを見れば、どこに何があってイベント全部丸わかり。ステージの数は結構多いみたいだが、その多さを感じさせないという作りは間違ってるだろう。素材目当てで同じステージ行くか、もう4人目くらいのキャラになると、簡単に10分かからずクリアできるステージしか選ばなくなる。まあ、ストーリー分岐点は仕方ないとして。
 コンボなど稼ぎの楽しみも減った。というのも、適当にやってれば1万ヒットくらい簡単にいく。なんか興ざめ。
 やっぱり、キャラをもっと増やす、同じステージでも状況を変えて楽しめるようにする、1キャラのステージ数を5ステージくらいにまとめて、中だるみしないようにする。このあたりの要素は必須だったんじゃないだろうか。行く必要も無い、いっても意味の無い、姉小路やら、存在意義がほぼ不明の前田家やら佐竹やら、俺の大好きな最上義光をあんな変人に・・・いらないだろう。せめてつかえればな後は思う。
 結局英雄外伝で使えたキャラは使えず、前作の松永久秀の存在は無かったことになっており、使えるキャラは増えた分と減った分でトントンで、これで大ボリュームとか言われても寝言は寝て言えとしかいえない。絶対外伝とか出して稼ぐ気だろうな。そういった、真似しなくていい部分まで無双の真似する。
 さて、ほぼ悪口しか書いてないが、楽しめてないかというと、そうでもないというのが正直なところ。普通に楽しめてますよ。ただ、待たされた分期待していたけど、期待したほど面白くなかったというのが正しい感想かなあ。
 エンディング曲の逆光は非常に良いと思う。
 シリアス面増強、暗い話も大幅に増えたが、このゲームは悲壮感が足りないと思う。シリアス面に行くならこの悲壮感が必要だと思う。
 その点、戦国無双3の幸村ラストステージの大坂城はやばい、特にバタバタと仲間が死んで行き、一人で徳川に突っ込んでいく部分は鳥肌立つくらいの悲壮感があった。ああいった、悲壮感を出すのはやっぱりBASARAには無理なのだろうか。BASARAがシリアスに移行していくなら、ああいった悲壮感漂う話をステージで演出するべきなんだと思う。
 10点満点でいうなら、6点。BASARAシリーズが好きなら7点というところがこのゲームの評価だろう。