無双OROCHI2 その3
このゲーム、言ってみれば究極の手抜き作品である。
誤解をまねく言い方だが、そういう作品である。
発想は、三国と戦国、二つの無双のコラボ。逆に言えば、今まで培ったモデルとキャラクターの使い回しである。
故に、究極の手抜き作品である。既存の作品からモデル、モーション、音楽まですべて使いまわしだからだ。
ところが、この無双OROCHI2、究極の横着作品であるにもかかわらず、一切の手抜きがない。
へんな言い方かもしれないが、素材の寄せ集めなのに、手抜きが見えないのだ。
無双のコラボ作品であることをいいことに、現コーエーテクモのもっているものをさらにコラボさせた。ニンジャシリーズのキャラ参戦だったり、他コーエー作品のキャラクターだったりだ。
これらも、原作を損ねないように作られている。ハヤブサやアヤネは原作イメージを損なわない専用モーション、三国6の使い回しであるはずのネメアは、チャージがすべて専用に差し替えられており、コンパチ感をまるで感じさせない。
すごいのはここから、三国6の武器持ち替えシステムでモーションは均一化されてしまった。武器よりキャラクターのほうが多いから、同じ武器を持つキャラクターのコンパチ化は避けられない。
発売前はそこが懸念だったし、手抜きしてくるだろうと思っていた。
正直、発売日前の予想は、ここで「コンパチキャラが多すぎる」という苦言を書いていた予定だった。
同じ武器でも通常モーションはコンパチでもチャージは全部別に差し替えてきやがった。
しかも、百々目鬼や牛鬼といった、クリア後に仲間になる敵キャラまできちんと作りこんでやがる。
寄せ集め品だけあって、ないものを補うという部分は少ない。たとえば衣装なんかは過去作品の使いまわし、最近新規参戦した連中は衣装が少ない。そこは残念だ。でも手抜きは感じない。
100人以上キャラがいて全員が、違う部分を持っている。これはすごいことである。今まで積み重ねてきたものをこね合わせているという部分を差し引いてもだ。
なんでこれが、真三国無双5のときにできなかったのだろう。
まあ、理由はわかるが。40名以上のキャラクターすべてに新モーションを作るのは難しかったんだろう。けれど、世間はそれが手抜きに見えた。実際は手を抜いてなくても世間からはそう見えてしまった。
こちらは逆。発想は手抜きなのに、手を入れるはずがないと思っていた部分にこれでもかと手を入れている。もっとも手抜きの作品が、もっとも手抜きのない作品に見えてしまう結果になった。
そんなわけで、現時点で、最強の無双はこのゲームだろう。
今年は、年末に、良作がまとめてきたなあ。
順位をまとめるのが大変だ。すくなくとも11月まで考えていた結果とは違う結末になりそうだ。