009 RE:CYBORG

 早速見てきた。時間的に3Dしかみれなかったのだが、別に普通のでよかったと思う。400円高いのが腹立つ。
 映画を見るだけで想像するしかないのだが、おそらく、今までやってきた話が全部終わってから27年後という設定のようだ。
 001以外みんなサイボーグなので、ギルモア博士だけえらい年食ってる設定だと思われる。
 009だけがなんで記憶消して高校生を繰り返してるのかさっぱり不明だが、いちおう作中で説明されるんだが、そんなことする意味がまったくわからない。ずっとフランソワーズと一緒にいればいいじゃないか。
 作中でも言われてるのだが、00サイボーグチームがいったん解散する際に、ジェットとジョーがリーダー争いで確執を起こして、ジェットが抜けていったって設定もあるわけで、じゃあリーダーに指名されたジョーが記憶消して市井に埋もれてるとかますます意味わからん。


 話自体は、非常に哲学的。
 明確な敵が存在せずに、人類の脳に発生する神のようなものの声にしたがって起こすテロに対抗する話。彼の声と呼ばれる神の様な何者かの声を聞いた人間が、人類をやり直すためにテロなどを起こすのだが、その彼の声の伝播する方法が不明。明確にこの声に従い、世界を滅亡させようとしている連中もいるのだが、そうでもないやつが勝手に行動するから明確な敵が存在しない。
 作中では、人の脳そのものが動物と比べ神のようなものであり、人は個々に神を持つ、その神のささやきを各人が独自に理解して行動するのが今回の事件の元凶というわけだ。
 何言ってるかわからないだろう。俺もよくわからん。
 ただ、ジョーはその声に対して、人類のおろかさを理解しながらも自己を犠牲にしても守ろうとする姿勢を示して回答とする。
 人間もまだ捨てたものじゃないと表現したいってことでいいのかなあ・・・。
 完全に個人の好みだが、自己犠牲が嫌いなので、どうも自己犠牲を賛美しているようにしか思えない。
 最終的にジョーは宇宙空間で核弾頭を破壊して、地球への生還は絶望的な状況になるのだが、よくわからないが助かっている。フランソワーズは人類の答えのひとつを示したジョーに対して、彼の声が奇跡を与えてくれたのだといっているが。なんとも納得いかない結末である。
 宇宙空間ではジェットと二人だったわけで、核弾頭破壊した後は「どこに落ちたい」をやるのかと思ったが、そんなことはなかった。


 さて、物語に関する是非はたぶん賛否両論になるだろう。そもそも非常にわかりにくい内容だし。
 戦闘シーンに限らず、全体として非常に映像はきれい。チャンチャンコなどは非常によく動く。あの体型でギャグにならないのはすばらしい。
 原作終了から27年ということもあり、ハインリヒあたりは内臓火気がすでに旧式扱いされていたりと、00ナンバーズの扱いはさまざま。
 各人の扱いは次のとおり。

009:文句なしに主人公。一人だけ特別すぎる。加速装置がチートすぎ。もうこいつ一人でいいんじゃないかなを地で行く。本編では彼と同等性能の加速装置を持った敵が山ほど出てきたので、いっぱい苦戦したが、加速装置を持つ敵が存在しないこの映画では無敵に近い。実際、004と006が二人がかりで苦戦してた相手を秒殺する。原作ではフランソワーズと入籍していたはずなのに、ほっぽりだして高校生活を満喫していることからその設定は映画版ではなかったことになってる模様。まあ、アニメ化されるたびに設定変わるからね。


001:しょっちゅう寝てたイメージから一転、今回はラスト直前までずっと起きてる。テレポートが便利すぎ。


002:もう一人の主人公といっていい。原作どおり非常に露出が多い。ただ、非常にアメリカ人ナイズされた思考をしており、原作との乖離が非常に激しいキャラ。そもそも鼻が違いすぎて、ジェットといわれないとジェットだとわからない。
足のブースターで飛べるのは相変わらずだが、最大速度で飛行する場合は、足以外にもブースターが出てくる。まあ、足だけで飛行したらひっくり返りそうだもんな。原作では加速装置を持っているはずなんだが、映画内では使っている様子は見当たらない。銃弾でやられたりスタンガンでやられたりと、サイボーグってほんとに強いのか聞きたくなる瞬間がある。


003:原作どおりヒロイン枠。ジョーと再会した直後の飛行機内部で、ジェロニモいるのも気にせずにジョーとHするところを見ると、エロエロに成長した模様。原作以上に通信、偵察に特化した性能を強調されている。策的能力を使用する際に、なんで片目だけが変わるのかはよくわからん。両目なんじゃないのか?


004:ドイツに戻って軍に属していたようだが、内臓機器がワンオフな上に旧式すぎるため、ごくつぶしになっていた模様。完全な白目じゃなく白い黒目がちゃんと存在するようになった。指テッポウが非常にかっこいいが、どこにそんなけ弾丸はいってるんだと。ジェットと同じく、一番サイボーグっぽい人物なのだが、戦闘面ではかっこいいが余り活躍できていなさそう。というかチャンチャンコのほうが役に立ってないか?


005:原作どおりといえば原作どおりだが、とんでもなく強い。加速装置持ちが相手じゃなければ、こんなけ強いのかというのがわかる。アメリカの特殊部隊との戦闘では、ハインリヒとチャンチャンコが苦戦している中、別働隊を時間こそかかるが一人で殲滅する。一番派手な戦闘するのは実はこの人だった。


006:コメディリリーフっぽい原作に比べて、非常に有能な人。潜入捜査から戦闘まで何でもこなす。原作どおり中華飯店を世界的に多角経営しているらしく、なぜかギルモア博士と訴訟中らしい。とにかく、火炎放射が強力で、そのうえデブの癖によく動く。スタッフに愛されすぎだろう。


007:原作との乖離が激しい人その2。イギリスの諜報部に属しているらしく・・・って、あかんやろ。グレート・ブリテンの元ネタが俳優でイギリス人で諜報活動が得意というあからさまに007のパク・・・オマージュキャラなのに、ほんとにそこに属しちゃうとか。原作のコメディちっくなユーモラスさはまったくなく、終始シリアスな諜報員として行動する。途中で姿を消すのだが・・・そのまま最後に登場するまで姿を消したままだった。物語の導入部分で活躍したから中盤以降は削られたのだろうか。異様にかっこいいハゲではある。


008:もっとも原作に近い扱い。原作どおり空気です。ここまで原作どおりだと、もはや笑うしかない。平成009でももっといい扱いだったぞ。序盤、ハインリヒと一緒に出てきたと思ったら、ちょっと単独で行動し、一人で彼の人のヒントをつかんだと思ったら姿を消して、姿を消しっぱなし。ひどい、ここまでひどい扱いしなくても・・・。