鬼切り夜鳥子2

 前作と違って、えらい分厚くなったな。
 そんなわけで、修学旅行編。
 とにかく、京都の文化財を壊す壊す。とりあえず、清水寺金閣寺はぶっ壊してきた。ゴジラよりたちが悪いかもしれない。
 前作が、出来事を箇条書きにしたような内容だったのに対して、ずいぶんと小説らしくなったとも言える。ただ、ちと全員が前世でつながってるっぽかったり、主人公とその相方のつながりが相思相愛の幼馴染だったりと、ずいぶんとチープな設定が目立つ。奇をてらえばいいというものではないが、もうちょいひねりが欲しいよなあ。主人公と相方の関係は前から同じだったんだが、今回は更にそれが強調されている。
 夜鳥子の設定自体は、それなりに面白く、この話を支える肝でもある。彼女の過去がからみ、それが全部明かされるわけではなく小さく出されることで、先が気になる作りになる。完全に解決したわけでもないし。
 ただ、最後の後味苦めな決着は、桝田さんらしいといえばらしいな。
 前作よりはずいぶんと面白くなったと思う。これなら続編やハルカにも期待できそうだな。