土方歳三(峰隆一郎版)

　峰さんの出している土方歳三を３巻まで読んだ。内容的には、土方が、
　人斬り→女とセックス→人斬り→女とセックス→以下繰り返し
　というすごい内容。
　狂気のように人を斬りまくり、そのたびに女が抱きたくなるという土方の設定はいいのだが、それを３巻まで永延と繰り返すのはどうかと。いや、話は進んでいくんだけどね。
　この土方歳三では、芹沢がかなり高く評価されていて、土方もそこそこ*1なのだが、近藤勇がすごいダメな人に書かれている。燃えよ剣でも近藤の評価は余り高くないが、それでもまだ土方が持ち上げようと思うくらいの魅力は持っていたんだが、この話の場合、土方が近藤に肩入れするのは、同郷で昔からの知り合いだからと、あとアホで操りやすいからという２点だからだ。出世に興味が無く新撰組を大きくする事にしか興味の無い土方にとってトップに立つより２位の位置で組織を自在に操るほうがいいと思っているらしい。
　司馬さんの土方像にかなり近いものがあるが、池波さんの土方像とはちょっと違う。池波さんは永倉新八をかっこよく書いて、土方や近藤をかなり芋っぽく書いてた記憶が･･･。
　内容的には、面白いのかどうかの判断が難しい。歴史物的には知っている事だらけだし、芹沢評意外は目新しい部分は無い。まあ、土方がキチガイじゃないかと思うくらい人を斬るのが好きな事くらいか。
　とはいえ、３巻まで読んだので最後まで読みたいなあ。
　土方に関する小説は、やはり燃えよ剣という優れた先駆者がいるために、後発は厳しいよなあ。峰さんも１巻のあとがきでそんなことかいてたな。ただ、最後の結末は、よく言われている土方の最期とは違うものにするみたいな事を書いてたのでそれが楽しみではある。これ、何巻まで出てるのかなあ。４巻か５巻当たりだと思うが。

*1:当然主人公だし