俺屍2 レビュー

 まず結論から言うと、期待されすぎたガッカリゲー
 一言で言ってしまうなら、これ。
 できそのものはいい部分もあるし、悪い部分もある。
 良作ではないが、クソゲーでもないしダメゲーでもない。
 客観的な判断を下せば凡ゲーだろう。

 ファミ痛風の10点満点で言うなら6点〜7点当たり。
 ただし、15年も待った身として点をつけさせてもらうなら5点。

 まずは良い点から上げていこう。何しろ悪い点が多すぎるので長くなるからだ。
 悪口になると思うし悪意に満ちた文章にもなるので、そういうのが見たくない人は良い点だけ読んで、あとはそっ閉じで。
 俺屍2のためだけにブログ再始動したが、ここで終わるやもしれないので書き捨て御免の精神で書く。


良かった点
・音楽
 非常に素晴らしい、天外2を彷彿させるようなお茶らけた曲、熱狂の火の祭囃子、ボスのクサメロ。どれも素晴らしい。知り合いの子供を使った縁故採用なのに、非常に素晴らしい。まあ、リメイク時点で採用してたから実力がある程度分かっていたんだろうね。樹原さんの息子さんだったかな? 彼はオリジナルのデビュー作がひどいことになったけどめげずに良い曲を作ってほしい。頑張れ。

・UI回り
 非常に気を使って作っているだろうと思われる。移動中のショートカット、1発での満タンボタン。DQみたいなアホ満タンではなく効率よくまんべんなく技(MPだ)を使ってくれる。ただし、戦闘時のカメラ固定ができないのとアナログスティックの操作性の悪さは少し差し引きたい。がアナログに関してはこれはVitaが悪い気もする。
 また、ロードが非常に早いなど、昔から桝田さんが気を使ってる部分は残っている。自分でやって快適じゃない部分は直させたんだろうね。

・ボスに関してあれこれ
 今回、ボスは非常に多い。これに関しては良いところ。ボスの特徴もあっていろんな攻撃方法を持っていたりする。これもよいところ。
 ただし、一部異様に強いボスがいたり、進行度が進んで強化されると最初は雑魚だったのが異様な強さを発揮するボスとかが出てくる。
 清明の初見殺しもそうだが、お涼もひどく、難易度5段階目あたりで出てくると前作の氷の皇子の極悪版みたいになる。ちなみに、このボス、同難易度のボスでも3歩くらい突き抜けた強さで、彼女以外の同ランクボスや彼女よりも奥にいる上位のはずのボスをあっさり殺せる一族でも手も足も出ずに殺されるという極悪使用。低ランク神のくせに清水がないと詰む十六夜伏丸もかなりやばいが。
 まあ、これに関してはボスを倒す楽しみもあるので、一概にも悪い点とは言えない。前作も後半は初見殺しみたいな中ボスがゴロゴロいたしね。
 ただ、一個気になる点を言うと、ボスの奉納点が少なすぎる。正直ボス倒して稼ぐより、入り口で雑魚を倒して稼ぐほうが稼げるのだ。ボスが落とすアイテムも、ボスの強さではなく神としてのランクとして決まっているので低ランクの神だとドロップ品もゴミなのでうまみがない。ぶっちゃけ攻撃力が250の属性武器とかもってるころに、属性も福もない攻撃力100くらいの装備もらってどうしろと。前作は祈りの鈴を組み合わせたボスツアーで奉納点を稼げたのだが(まあ前作も雑魚狩りが最効率だったが)

 良かった点は以上。
 何? ゲームに関してほめて無い?
 まあ、基本部分は前作と同じだからね。前作の高評価部分はある程度引き継いでるよ。
 問題は、その高評価部分を全部台無しにしている今回の要素だ。
悪かった点
・シナリオ
 まっさきに上がるのがこれだろう。
 とにかくこのゲームはタイトルを変えるべきで、いうなれば、「我が夜鳥子を見よ(by桝田」もしくは「夜鳥子よモブの屍を越えて行け」にするべきだろう。
 とにかく、敵も味方もだれもかれもが夜鳥子の話をしない。鬼頭に関しても夜鳥子がかかわってるので必然彼女の話だ。桝田さんはそんなに比重はかけて無い、他の話をする神もいる、彼女の悪口を言うのもいるといっているが、悪口に関しても結局は彼女の話であり、他の話も夜鳥子の旦那さんがモテモテで私も好きだったとかそんな話だ。間接的に夜鳥子の話をする。夜鳥子に全く関係ない話をする神はほとんどいないといっていい。しかも前作ではちょっとしたセリフだけで後はプレイヤーの脳内保管だった神々の性格まで勝手に決めて勝手に行動して勝手に過去の男や女(夜鳥子とその旦那)の話ばかりする。
 別に前作びいきじゃなくても聞いてて楽しい話じゃない。
 とにかく主人公一族はずっと蚊帳の外なのだ。
 とりあえず前作リメイクみたいに桝田を殴れる追加を入れてくれ。

夜鳥子関連
 シナリオに関しては上記で述べた。実は彼女はシステム面でも大きく食い込んでおり、個人的にはシナリオよりこっちのほうが最悪。シナリオは○連打で飛ばせる。夜鳥子なんていなかったことにして全部脳内保管して前作と同じ遊びをすればいいだけの話だ。システム面に関しては彼女を排除することすらできない。

・事実上の固定参加
 夜鳥子は途中から一族として転生させれるようになる。なぜか短命の呪いを受けており、子供も作れないのでリアルに種絶の呪いがかかっているようなものだ。子供が作れないのがさらにめんどくさい要員の一つなのだが、これは後回し。
 夜鳥子がいなければシナリオの重要拠点に入って固定ボスと戦えない。それ以外の地域では入れる必要はないが、育成を考えると事実上ずっと連れ歩くのがクリアに関しては得策である。彼女をきっちり常に戦える状態にして置かなければ最悪1年3ヵ月とか棒に振ることになる。最初は特定の祭りだけだと思ってたのだが、ネタバレすると田鶴姫救出と、清明との決戦も彼女が必要だ。もう、家系は3家系で止めて、1家系は彼女固定にするのが一番楽だろう。最初はこだわって4家系を貫こうとしたが、やればやるほど詰まんなくなっていくゲームが苦痛になったのでとりあえずもう妥協して3家系にした。
 このゲームは読んでも読まなくてもいいような世界設定の上に成り立って一族を育てて楽しむゲームである。それをぶっ壊すような縛りを強制的に入れてあるのが問題だ。こういうこと出来るけど使いたかったらどうぞ、というレベルだったら問題なかったはずだ。どうしてもシナリオに絡めたいのなら、せめてコーチんのようについてくるお助けキャラ的なポジションにするべきだっただろう。
 今からでもそういう修正を入れてほしいが、桝田さんはやりたくないようだ。理由としてコストがかかるという点ともう一つは話が破たんするからやりたくないとのころ。桝田さんはツイッターでいろいろいっているが、夜鳥子を前面に出したことを悪いことでも失敗とも思ってないし改める気もないということだろう。彼が失敗したと思っているのは見せ方を間違っただけだと思っているだけのようだ。修正は期待できない。
 前者のコストに関する理由は理解できるが、後者の理由に至ってはだれが何と言おうと夜鳥子の物語を破たんさせたくない、そのためにプレイヤーが嫌な思いをしてもいいと言ってるわけだし。

・仕様が足かせ
 他に事実上の強制参加の夜鳥子だが、まず、このゲームの目玉である子供が作れない。登場に奉納点を奪っていくにもかかわらず。その使った分は消滅してしまう。そして短命の呪いだけ中途半端にあるものだから死んでしまう。一応、転生させるたびに夜鳥子の素質が強化されていくのだが、これが非常に遅いペース。多分、どっぷりなら問題ないんだろうが、あっさりとかどっさりだと、一族の成長に彼女がついてこれない。現時点で清明戦だが彼女は完全に足手まといである。奉納点を奪い戦勝点(経験値のこと)は頭割りのためこれも奪い、貴重な一族枠を1個奪い、さらに子供を残して素質をつなぐこともできないうえに、雑魚で足手まとい。普通にプレイしていても邪魔である。その割に、戦闘回数やトータルダメージは転生するたびに合算されるのでなぜか上位に表示されるという。
 とにかくプレイヤーに無駄な出費をさせるくせに弱くて後にも続かないという存在なので扱いに困るのだ。どっぷりなら知らん。正直最初はどっぷりでやったがこのゲームにどっぷりで時間を割く価値はない。 

・ランダムダンジョン(笑)
 今回はダンジョンがひどい、前作も各ダンジョンにギミックが存在したが、基本的にはそれほど難しいものではない。しかし、今回はクソだたっぴろいダンジョンにショートカットに鍵までかけており、別のダンジョンで鍵拾ってこいとかそのダンジョン専用の鍵も、他の国の同じダンジョンからしか出ないとか、とにかくめんどくさい。そしてダンジョン探索はショートカットを開いても一向に楽にはならない。あっさりだと継続してもクリアできないケースすらある。他国のダンジョンだと1から探索しなおしなのもめんどくさい。他国との交流を考えてランダムダンジョンにしたのだろうが、鍵の存在と無駄な広さは何とかならなかったのだろうか。結局最深部で稼ぎをするより自分より難易度の高い国にいって入り口で延々と雑魚狩りするのが一番効率よく、ある程度強くなったらどっぷりにした後、速鳥かけてダッシュするのが一番いい方法である。昔みたいに奥でスイッチ押したらショートカット解放じゃ何でダメだったのだろう?

・雑魚の使いまわし
 今作は進行度に合わせて雑魚が強くなる。まあ、前作もそうだったんだが、前作の場合は大江山まではチュートリアルで後編は本来の強さになっただけの話。
 こちらは同じ的でも何段階にも分かれて強くなる。
 まあ、それはいいのだが、ずっと同じ敵と戦っている気分になる。なのでただでさえ単調な稼ぎがより単調になる。さらに属性で色違いになる。だからどうした。
 この水増し感が異様にひどい。FCのRPGだってもっとマシだわ。ここまでひどい使いまわしはウィザードリィエクス1と2くらいだ。あっちは自腹切って作ったって言うくらい資金難で困ってたゲームだから我慢してやるにしても、そこまで予算不足だったのかと聞きたくなる内容。

・天界から神が逃げまくる
 せっかく神々を解放してもどんどん逃げまくる。なので天界はすっからかん。上位の神がことごとく下界に降りて、何か行く先々では低レベルの神しか見つからない。
 なので、一族強化しようにも氏神と交信するしかない。ひどい話だ。これは完全に調整ミスだろう。桝田さんも認めているのでとっとと修正版出してほしいのだが…アップデートされる気配すらない。
 ひどいものだ。

総評
 まあ、行ってしまえば、期待度が高かっただけにガッカリさせられたといっていい。
 もうしばらく時間がたってから思い返せばここまで腹も立たないだろう。まあ1回クリアしたら2度とやらない気もするが。修正版来たらやる。
 ただ、うちは限定版とDL版と2本買ってお布施してるのだ、このくらいは言わせてもらってもいいのではないかと思う。
 最初に行ったが、前作未プレイの人は興味があればやってみるといい。それほどの覚悟は必要ない。覚悟がいるのは前作プレイヤー。思い出をぶち壊される可能性大。俺屍Rがプレイしやすいので一番おすすめである。
 個人的にはもう修正効かないのだったら、夜鳥子削除版を作ってもう一回やりなおしてほしいところ。

余談
 桝田さんのツイッターがある日を境に業務連絡ばかりになった。
 多分、ツイッターの突撃に対して桝田さんがガッカリさせてごめんなさいみたいなことを言ったためだろう。
 発売1週間程度でそんなこと言われたら広報は当然困るもんな。しかも誤っているのか火に油を注いで喜んでいるのわからない状況。言えば言うほど反発を招いていた。で、せっかく出した修正案は基本的に的外れであり、何が何でも夜鳥子は外さないという結論。周囲が止めるのも理解できる。
 とはいえ、神が下界におりまくるという部分はこのゲームの根底の部分で問題になるのでここだけでも早急に直すべきなのだが。いや、じっさい深刻なほど上位の神様いないよ。写真撮って上げようかwwwww